県東近江土木事務所河川砂防課は、去る3日に開催された沿川3市2町で組織する日野川改修期成同盟会の総会で、県が進める「日野川広域河川改修事業」の実施状況並びに19年度に予定する事業の概要を説明した。
東近江土木事務所は、土木交通部流域政策局、南部土木事務所とともに、参与として同盟会に参画。毎年、同盟会を事業推進のパートナーとして事業の進捗状況を説明し質疑応答、意見交換を行なっている。
現在の整備実施区間は、90年(平成2年)災害の復旧事業で整備された河口から2・8q(近江八幡市野村町・大畑橋付近)より上流・善光寺川合流部(近江八幡市竹町、竜王町西横関)までの6・6q。整備計画規模を、戦後最大の洪水を安全に流下させることの出来る50年確率規模としつつ、治水効果の早期発現のための段階整備(暫定)規模として低水護岸の施工は必要最小限とし、まずは高水敷を掘削することにより20年確率(1360立方b/秒)の断面を確保し、その後に50年確率での改修を行なうとしている。
現在の進捗状況は、18年度に施工した古川橋上流の掘削、低水護岸工事により、河口より7・25q、整備区間の下流より4・5qにある古川橋(近江八幡市古川町)上流(74)までの20年確率の段階整備が完了。
現在、16〜19年度で実施中の古川橋橋脚補強工事、18〜19年度で取組を進めている古川橋上流右岸の低
水護岸・河道掘削工事を継続して推進するとともに、19年度は新たに古川橋上流右岸の低水護岸・河道掘削工事、桐原橋橋脚補強工事(19〜20年度)の発注を予定。
17年6月に概略設計が完了し、JRと協議を進めてきたJR橋対策は、「JR東海道本線日野川橋梁の架替事業」(概算事業費70億円)として18年7月豪雨を受け国が創設した個別補助事業『大規模特定河川事業』に採択され別枠で集中投資、19〜27年度までの8年計画で整備することになり、今年度は詳細設計に関する協定をJRと締結し実施する。
また、昨年度の総会で西田秀治・竜王町長が「20年確率整備後、折り返して50年確率の整備では、その先の整備は『明日が見えない』状況」と訴え提案し、他の市町が賛同、異議なく同盟会の総意となった「中流部(蛇行区間)の抜本改修の早期実現に向けた事業実施区間の延伸」については、昨年度に、県が準備区間と位置付け今後行う概略検討や予備設計、河川整備計画検討の基礎資料とする「航空測量」を実施。引き続き、今年度は「河道概略検討」を行なって改修ルート等について複数案の計画案を作成。20年度から、関係市町等と意見交換を行ない、合意形成を図りながら計画案を絞り込み、23年に予定される近畿地方整備局認可の河川整備計画の変更に向けて「河道予備設計」や「環境調査」、「河川整備計画変更手続」を進め、整備計画変更認可後の24年度から「現地測量」、「河道詳細設計」と、工事着手への歩みを進める予定。
日野川広域河川改修工事の19年度発注予定工事は次の通り(発注見通し〔当初〕より抜粋)。(@工種A場所B入札方法C工期D概要E発注予定時期・四半期)
▽日野川広域河川改修工事=@土木A近江八幡市古川町他B事後一C6ヶ月DL190m、掘削工V3万1500m3E2
▽日野川広域河川改修工事=@土木A近江八幡市池田本町B事後一C6ヶ月DL100m、掘削工V3万0400m3E2
▽日野川広域河川改修工事=@土木A近江八幡市池田本町他B事後一C9ヶ月DL200m、掘削工V2万m3、低水護岸工A2200uE2
▽日野川広域河川改修工事=@土木A近江八幡市江頭町他B事後一C6ヶ月DL550m、掘削工V1万m3、低水護岸A6000uE2
▽日野川広域河川改修工事=@土木A近江八幡市池田本町他B簡一(総合)C9ヶ月D橋脚補強工5基、護床工E2
提供:滋賀産業新聞