霧島市は、建て替えを計画している医師会医療センターの整備手法を設計・施工の分離発注による従来方式で行う方針を固めた。基本計画の中で検討項目として挙がっていた設計・施工一括発注やPFIなどの方式は採用しない考え。2019年度から約10カ月かけて基本設計を進め、20〜21年度の実施設計、21〜23年度の建設工事を目指す。概算事業費は約133億3000万円。
同センターの所在地は、隼人町松永3320(敷地面積約6万5590u)。建て替えは、築30年以上経った病棟の老朽化や狭あい化を受けて計画した。
新施設は、敷地西側の空き地に建設予定。病床数は現有の254床を確保し、延べ床面積は約2万2860u(1床当たり約90u)を見込む。機能構成は、低層階に外来・救急機能、中央診療部門、手術室エリア、重症、救急病床など、中層階は事務管理エリア、高層階に各病棟を設ける。地域災害拠点病院の整備基準に準拠させるため、免震構造や屋外ヘリポート設置も検討する。
基本計画の策定は、アイテック(東京都)が担当。整備手法の検討項目として、従来の設計・施工分離方式のほか、DB方式(設計・施工一括発注)やECI方式(設計段階で施工会社が技術協力)、PFI方式(設計・施工・維持管理を事業者へ長期包括発注)などを挙げていたが、市では「(設計・施工分離の)従来方式による発注で進めていく」(健康増進課市立病院管理グループ)との意向を示した。
概算事業費(約133億3000万円)の内訳は、@設計・監理費約4億2000万円A建設工事費約105億2000万円B医療機器等整備費約20億円Cその他(解体・移設費など)約3億9000万円。
19年度からは、約10カ月かけて基本設計を進める方針。発注時期やプロポーザル等の可否については今後検討する。実施設計は20〜21年度(8カ月)、建設工事は21〜23年度(28カ月)で予定し、順調に進めば23年度中に移転・開院する見通しだ。