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建通新聞社四国
2019/06/14

【徳島】那賀川学識者会議 ダム有効活用案を承認

 国交省四国地方整備局と徳島県が進めてきた那賀川学識者会議の最終回となる第14回の会議が11日に開かれ=写真、那賀川水系河川整備計画変更案(計画段階評価)として事務局が提示した治水対策4案の中から、完成までの費用を約940億円と見込んでいる既設の小見野々ダム再生を含む「ダムの有効活用案」が最も有利な対策として承認された。
 流域の洪水被害を少なくするため、長安口ダム(改造中)と小見野々ダムで洪水を調節し、整備計画目標流量毎秒9700dに対し毎秒700dを調節する。治水安全度、コスト、実現性、持続性、環境への影響などから比較検討し、ダムの有効活用案を選んだ。
 「ダムの有効活用(容量増大・放流能力増強)+河道の掘削+引堤」による治水対策のコストは、完成までの費用試算が約940億円と4案の中で最も少なく、維持管理費は50年間で約200億円と試算。また、コストのうち洪水調節施設相当分は、完成までの費用約500億円、50年間の維持管理費約140億円としている。
 小見野々ダム(既設発電ダム)は、貯水池に堆積した土砂を掘削することで新たに約1100万立方bの洪水調節容量を確保する他、低い位置に放流設備を備えた放流能力を増強したダムを下流に移設し、新たに洪水調整機能を設ける案が有力。ゲート改造案やトンネル案、下流移設案を比較検討した結果、堤体材料としてダム堆砂を有効活用できる可能性や下流に移設した場合でも国道と人家に影響がないことなどの理由から新規ダムを建設する下流移設案を選んだ。
 今回の会議では委員から、利水者との調整やダムのピークカット流量、予備放流水位の表示などいくつかの意見が出された。今後は委員からの意見を踏まえ、「那賀川水系河川整備計画(変更案)」を公表する予定。

提供:建通新聞社