三重弁護士会(津市中央3ノ23)は、三重弁護士会館の新築に当たり、「三重弁護士会館(仮称)設計監理業務技術提案プロポーザル」を行い、2次審査で4者の提案を審議した結果、FULL POWER STUDIO(名古屋市名東区)を最優秀者に選定し6月5日に公表した。今後、基本・実施設計を進め、2020年度に施工者を選定し、同年9月の工事着手を目指す。
同会では現在の会館の隣接地に新会館を建設するため、18年12月に設計プロポーザルを公告し、応募した20者を対象に4月に1次審査を行い、4者を優秀者として選定した。その後、5月に2次審査、会員のアンケート結果も踏まえ、総合的な評価に基づき最優秀者を選定した。上限価格は2700万円(税込み)で、今後契約する。2次審査の他の3社(同会公表順)は、シーラカンスアンドアソシエイツ名古屋支店(名古屋市中区)、建築デザイン研究所(津市)、東畑建築事務所名古屋事務所(名古屋市中村区)。
プロポーザルの条件設定では、施設規模が1050平方b程度。構造は任意。駐車場は15台程度。総合耐震設計基準の構造体V類。建設地は津市丸之内養正町1ノ1。県道津芸濃大山田線沿いの津市役所北側に位置する一角。現在はさら地で面積は841平方b。建設工事費は3億4000万円(税込み)を想定。
事業スケジュールでは、20年5月から7月ごろに施工者選定が見込まれるが、公募なども含めて選定方法は未定で、今後検討する。9月に着工し、1年程度の工期で21年8月末の完成を目指す。
最優秀者の提案では、「広く社会に貢献できる会館」「人にやさしい会館」など八つの視点に基づく新会館を実現するための手法を提案。2階建てで、1階に多目的室、相談室、ピロティ駐車場(16台確保)など、2階に事務局、総会ホール、クリエーティブラウンジなどを配置し、外観は光を採り込む開口部と日射制限のシンメトリーで連続的な意匠を提案するとともにトップライトや自然換気など環境共生建築の考え方を取り入れた。
審査講評では、機能的な空間、開放的なラウンジなどの提案に対し、「新たな弁護士会の拠点としての可能性を広げるもの」との期待感を示す一方、「外観の在り方など検討すべきものがある」がコミュニケーションを十分取ることで「魅力ある会館の実現が期待できる」などと評した。
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建通新聞社