境港市昭和町の境漁港(県営境港水産物地方卸売市場敷地内)で工事が進められている境漁港高度衛生管理型市場整備事業は、最後のメイン施設となるPCaPC(プレキャストプレストレストコンクリート)造2階建ての2号上屋新築工事の建築工事が近く発注される。概算工事費約40億円(税込み)を見込む同工事は、1号上屋新築工事と同様に議会承認案件(9月定例議会提案)で、2工区に分けて発注される。2件とも施工形態は、県内建築一般A級3社による共同企業体で、知事決済が得られれば、6月4日に予定されている資格審査会で公募条件を決め、入札公告される見通し。
2号上屋新築工事を巡っては、きのう29日に陸送上屋で開場セレモニーが行われ、6月1日から供用開始される陸送上屋、1号上屋が完成したのを受け、すでに既存施設の解体工事を先行して発注し、着工準備に入っている。
2号上屋の延べ床面積1万2067・51平方bで、西側の1工区の延べ面積が6598・56平方b。1階が4121・32平方b、2階が2477・14平方b。概算工事費は、20億4600万円を見込んでいる。また、2工区の延べ床面積は5468・95平方b。1階が3432・03平方b、2階が2009・39平方b、PH(ペントハウス)27・53平方b。2工区はアスファルト舗装、側溝敷設の外構工事を含んでおり、概算工事費は、19億円を見込んでいる。
施設の用途は、1階が荷捌き、陳列・セリスペース、出荷準備スペース、プラットホーム、2階が事務室、研修室、調理実習室、学習室、展示ホール、貴重電算室。今年度から4カ年にまたがる工事で、工期は令和4年6月30日までを予定している。また、分離発注する設備工事は、2020年度の発注になる。
同事業を巡っては、1号上屋新築工事と同様に土木系工事として分離発注する護岸の耐震化工事(地盤改良工事を含む)に11月から着工する予定であり、本体の建築工事に現地着工するのは令和2年度になるが、国の予算配分との関係で工事は令和元年に発注する。当初、2号上屋新築工事に先行して発注する計画だった電気室・ポンプ室ほか新築工事は、工程を調整した結果、年内に着工する方向で11月に発注する見通し。現時点での概算工事費は、建築が1億7600万円、電気設備が1億7600万円、機械設備が2億5800万円を見込んでいる。設計は、桑本・平・羽子田・清水JVが担当した。
なお、これら工事が発注されれば、残る建築工事は、5号カニかご上屋新築工事(延べ面積約960平方b)、ゲート新築工事などとなっている。
日刊建設工業新聞