県都市計画課は11日、県立中央公園のあきたスカイドームで行う膜屋根更新工事を公告した。設計施工一括で2者による特定建設工事JVに発注、予定価格20億1,900万円(税抜)で8月6日に開札する。代表者の総合点数(建築一式)は1,250点以上で、膜面積3,000u以上の新築等に関する元請け実績が必要。県営繕課によると、秋田県発注の営繕工事で設計施工一括を採用するのは稀だという。設計は令和2年3月末をめどにまとめる。
あきたスカイドーム(秋田市雄和椿川駒坂台)は平成2年1月に竣工した屋根付き運動場で、鉄筋コンクリート造一部骨組膜構造2階建て、床面積12,158uの規模。水平投影の膜屋根面積は12,132uで、膜屋根のタイプは鋼管骨組膜構造となっている。秋田県総合防災計画では大規模災害時の一時物資集積拠点として位置づけられ、救援物資の受け入れなどを行う重要施設となっている。竣工後30年を経過するため、膜屋根材を全面的に更新する。
今回、発注する工事の予定価格は税抜20億1,900万円。2者による特定建設工事JV(建築一式A級)に発注するもので、代表者には膜面積(水平投影膜屋根面積の合計)が3,000u以上の新築、増築、改築工事の元請け施工実績が必要。総合評定値は1,250点以上となっている。
配置予定技術者は「監理技術者」か「若手技術者等・専任補助者」を選択、いずれも延べ面積3,000u以上の新築、増築、改築で工事に監理技術者、主任技術者または秋田県総合評価落札方式専任補助者として従事した経歴が必要。「若手技術者等・専任補助者」を配置できるのは、代表者と構成員のうち1社のみとする。
また、実施設計と設計意図伝達業務を代表者が行う場合は、一級建築士事務所登録や、膜面積(水平投影膜屋根面積の合計)が3,000u以上の新築、増築、改築の設計業務の実績が必要となるほか、設計業務の技術者として管理技術者、主任技術者(総合)(構造)、担当技術者(総合)(構造)を配置する。
設計業務を代表者が建築設計事務所の協力を得て行う場合は、代表者が設計業務の管理・統括を行う管理技術者として、一級建築士の資格を取得後5年以上の者を選任するほか、設計を代表者が行う場合と同様の業務実績、技術者配置を求める。
工事監理業務では、管理技術者として一級建築士の資格を取得後5年以上の者を1名配置(設計業務の総合分野に携わった者で、技術上の管理技術者と同一者は不可、担当技術者との兼務も不可)する。
今回の設計施工では「膜屋根裾部の性能向上」に関する事項について技術提案を求めるため、入札参加資格申請書や入札書の提出後、7月23日にはヒアリングを実施。激しい降雪時に膜裾部で「ポンディング」(雨水や積雪などで膜が大きくへこみ、水や雪を溜めてしまう現象)が発生する可能性があるため、技術提案には例えば、膜裾部付近の堆雪によるポンディング抑制対策や、膜裾部下面の保温性向上による融雪性改善対策といった内容を評価する。
提供:秋田建設工業新聞社