川崎市は、今年3月に入札不調となった新本庁舎超高層棟新築工事について、設計・積算の一部見直しや見積もり再徴集を行った上で、11月にも再公告する方針だ。新築工事と併せて発注し施工する予定だった旧庁舎地下解体工事は本年度、市内中小企業に先行して分割発注。7月に公告し、9月には工事着手する予定。新築工事着手までに解体工事を完了させておくことで、コスト的リスク要因を減少させるとともに、全体工期の短縮を図る。新本庁舎超高層棟の契約は当初予定より12カ月遅れの2020年4月に、竣工は当初予定より9カ月程度の遅れ(22年度)になる見通し。5月30日の市議会総務委員会で報告した。
新本庁舎は、鉄骨一部鉄骨鉄筋コンクリート造(免震構造)地下2階地上25階建て延べ6万2800平方b、高さ116b。設計は、久米設計(東京都江東区)が担当。事業費は、新築工事費が約410億円、解体・土地整備・調査費などが約20億円、移転費が約10億円、合計約440億円。
不調となったのは、超高層棟建設に関わる建築本体工事で、付帯する電気その他設備工事(電気)と、空気調和設備工事(空調衛生)、衛生設備工事(空調衛生)、昇降機械設備工事(機械)も中止となった。市では、建設コストの高騰や、建築的難易度の高さ、工事の特殊性などが入札不調の原因とみており、再入札に向けて建設市場の動向の把握に努めるとともに、見積もり精査の期間を十分に確保して建築的難易度の高さによるリスク要因を減少させる。また設計内容をさらに合理化しコストダウンを図る考えだ。
超高層棟新築工事は11月に入札公告し、20年4月の仮契約を目指す。20年6月の市議会で承認を得て、7月に本契約し、着工する予定。20年度後半以降には、復元棟新築工事(旧庁舎の一部を復元するもの)も、議場設備および太陽光発電設備工事とともに、市内企業を対象とした一般競争入札で発注する予定。
提供:建通新聞社