建設新聞社
2019/05/31
【東北・宮城】JR松島海岸駅の全面建替、今夏着工に向け施工者選定へ
JR東日本および東北工事事務所は30日、日本三景・松島の玄関口となっているJR仙石線の松島海岸駅について、バリアフリー化を含む全面建て替えに着工すると発表した。今後に施工者を決定し、夏の着工を目指す。
松島町松島浪打浜10地内にある松島海岸駅は1927(昭和2)年に旧宮城電鉄の駅舎として開業し、乗車人員は1日当たり1000人強。駅舎はW造平屋建て、延べ約163平方bで、崖にあるホームは両側が線路に面した1面2線の島式ホーム。開業当時の施設が現在も使用されているため老朽化はもとより、駅舎とホームは階段で行き来せざるを得ず高齢者や荷物の多い観光客には負担となっている。
このため2017年6月に、松島町・宮城県・JR東日本の3者が観光客増加を目指した包括連携協定を締結。同駅については改札口からホームまでバリアフリー化するなど全面的に建て替える。
新しい駅舎はおおむね現在地にS造3階建て、延べ約670平方bで整備。券売機や改札、事務室、トイレ、待合などは1階に配置する。駅前広場に面する駅舎正面には大型ガラスを採り入れて明るく開放的な空間とし、周辺の樹木と調和するよう外観は落ち着いた色合いにする。
また、既存のホームは2番線ホームとして引き続き利用し、片面に転落防止用固定柵を設置。既存ホーム東側(海側)には長さ約85bの1番線ホームを新設することで2面2線のホームとして、各ホームに連絡するエレベーターも設置する。
設計は土木・建築・機械がJR東日本コンサルタンツ・JR東日本建築設計JV、電気は日本鉄道電気設計が担当して完了した。今夏の着工後、今冬の仮駅舎切り替え(駅前広場に配置)、21年冬の新駅舎利用開始(1番線新設ホーム用エレベーター使用開始)、22年春の工事完了(2番線既設ホーム用エレベーター使用開始)を目指す。
提供:建設新聞社