富山県生コンクリート工業組合の第42回通常総会が30日、富山市のホテルで開かれた。19年度事業計画などを承認するとともに、任期満了に伴う役員選出では、酒井正人理事長を再任した。
委任状16名を含め全組合員33名が出席。冒頭、あいさつに立った酒井理事長は「日本経済は緩やかな回復傾向だが、当地は厳しい。17年度出荷量は、70万1000立方メートルと過去最低の数字。18年度は77万7000立方メートルで、約10%増と上昇に転じた」と述べ、「これまでを振り返ると、昭和はコンクリートをどんどん造り、平成は造ったコンクリートを補強・補修しながら、長寿命化に努めてきた。令和の時代は、品質に合う価格となるよう願う」と話した。
また、「工業組合は、県内の4つの協同組合が設立母体。協同組合がしっかりしないと、工業組合の繁栄はない。原則は競争の経済社会だが、生コン業界は独禁法の適用除外が認められている。協同組合の思想と実践が、ユネスコの無形文化遺産として登録されており、令和の時代では世界共通の知恵を生かした、新しい形で組合が運営できれば」と語った。
19年度事業方針として、出荷量は対前年度実績比97・3%の75万7000立方メートルと見込んだ。また、品質管理監査会議の指導の下で、生コンの品質管理の徹底と安定供給に努め、フライアッシュコンクリートやコンクリート舗装といった新規需要を、公共機関などへ積極的に働きかけ需要の開拓に努力していく。
重点事業には、(1)組織の強化・需要の開拓等(2)品質管理体制の充実強化(3)試験場の充実強化―を挙げた。理事長以外の主な役員は、副理事長に大愛富美子、益山和之、小原紀久雄、高田重弘の4氏、専務理事には岡崎光信氏を選出した。
なお、総会に先立ち、県土木部建設技術企画課の横田弘一主幹による記念講演会「最近の土木行政に関する話題について」も開かれた。