東京都は、首都高速道路会社が実施する「首都高速都心環状線の地下化(神田橋JCT〜江戸橋JCT)」の特例的環境影響評価書案をまとめた。現行の都環境影響評価条例では手続きの対象外だが、2021年の改正条例施行で対象となることが見込まれるため、特例的に都が環境アセスメント手続きを行う。事業対象区間延長約1・8`のうち、延長約1・2`を地下化する計画で、外径13・3bのシールドトンネルを2本配置。既存の高架橋を撤去するとともに、現在の常盤橋換気所を建て替える。工事は地表式の高架部から始め、次にトンネル区間の既存橋脚撤去と立坑の構築を実施。20年間で事業全体を完了させる。都と首都高では今後、アセス手続きと並行して都市計画変更手続きを進め、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会終了後に着工する考えだ。
首都高の日本橋区間を巡っては、老朽化した道路の更新と周辺で動き始めたまちづくりに合わせ、国・都・首都高で構成する検討会が18年に、JR交差部〜江戸橋ジャンクション(JCT)間の1・2`を概算事業費約3200億円で地下化することで合意。詳細なルートや構造の検討を進めている。
事業の対象区間は現在の神田橋ジャンクション(JCT、千代田区大手町2丁目)を起点、高速6号向島線と接続する江戸橋JCT(中央区日本橋小網町)を終点とする延長約1・8`。JR線の下から地下式とし、日本橋川を縦断した後、終点近くで地上に上がり向島線とつながる。
構造は起点側から嵩上げ式(高架)、地表式(高架と擁壁)、地下式(シールドトンネル)、地表式とする。延長はトンネル区間(擁壁含む)が約1・2`、嵩上げ区間が0・2`、地表区間が0・4`。
シールドトンネルについては、外径13・3bで上り線と下り線(各2車線の2本を近接して配置する。JCT部を含む日本橋本石町2丁目付近は開削工法とし、ボックス型のトンネルを構築する。地上部の開削が困難な常盤橋門史跡では、函体推進工法を取り入れ、既設道路の撤去と構造物の構築を進める。
工事は高架、トンネル、擁壁、換気所の順に実施していく。このうちトンネル区間については、高架部の着工から4年後に工事を開始し、約10年間で完成させる予定。
提供:建通新聞社