横浜市が5月27日に公表した統合型リゾート(IR)を巡る2018年度の調査結果によると、情報提供に応じた12事業者の全てが山下ふ頭(中区)への立地を想定し、全体面積67万〜150万平方bのIR施設の建設などに6200億〜1兆3000億円の投資を見込んでいる。市では6月下旬に市内4カ所程度で説明会を開いて調査結果を市民に伝える他、19年度も調査を継続する。
18年度の調査は横浜におけるIRの事業性や経済的・社会的効果などを把握して、IRを導入する・しないの判断材料の一つとするために実施。EY新日本有限責任監査法人(東京都千代田区)へ業務を委託するとともに、IRに関わる情報提供を事業者に依頼していた。
情報提供に応じた事業者は▽ウィン・リゾーツ・ディベロップメント▽キャピタル&イノベーション▽ギャラクシーエンターテインメントジャパン▽ゲンティン・シンガポール・リミテッド▽日本MGMリゾーツ▽シーザーズ・エンターテインメント・ジャパン▽SHOTOKU▽セガサミーホールディングス▽メルコリゾーツ&エンターテイメントジャパン▽名称非公表3者―の12者。
立地に関しては、全事業者が47fに及ぶ面積やシンボル性、アクセス利便性などを理由に山下ふ頭を想定。IR施設のうち、中核施設に▽MICE施設(7万〜22万9000平方b)▽魅力増進施設(舞台、美術館、文化芸術施設など)▽送客施設(総合旅客代理店、ビジターセンター、観光提案施設など)▽宿泊施設(27万〜60万平方b、2700〜5000室)▽その他(アトラクション施設、博物館、劇場、大規模アリーナ、マリーナ施設など)―を例示した。
建設時で4700億〜1兆1900億円、開業後事業運営時で4900億〜9100億円の直接的な経済効果を見込む。訪問客数は年間800万〜5200万人、雇用者数は建設時に4万3000〜10万人以上、開業後事業運営時の直接雇用で1万〜5万6000人を見込んだ。自治体には年間600億〜1400億円の増収効果があるとしている。
また、ギャンブル依存症の増加や反社会的勢力の排除などへの対策として▽マイナンバーカードや顔認証システムによる入場制限▽厳格なカジノライセンス制度に基づくカジノ営業▽厳格な警備体制の構築▽国際基準に準拠した内部統制システムの構築―などを挙げた。
提供:建通新聞社