東京都総務局は、小笠原諸島への航空路開設に向けた2019年度の基本計画調査をパシフィックコンサルタンツ(千代田区)で開始する。父島の洲崎東端に桟橋形式の滑走路を整備する案を軸に構造を検討するとともに、実現可能な施工計画をまとめる考えだ。5月22日開札の指名競争入札で同社が業務を落札した。
滑走路の候補地は、父島のうち国立公園や世界遺産区域に該当しない洲崎地区の東端。自然環境への影響を極力抑えるため、滑走路の延長は1000b以下にする方針を固め、それを基に桟橋形式と橋梁形式の2ケースについて想定される事業費や工期を検討するとともに、飛行方式や経路、予想就航率などの想定を行ってきた。
19年度はこの検討を深度化し、北側と南側の護岸構造や、陸上部と海岸部の桟橋構造形式、異種構造の接続部(護岸部と桟橋部、盛土部と桟橋部)の構造形式、盛土部の構造形式を考える。併せて島外から搬入する盛土材の種類、確保可能な量、費用などを調査する。
これらを基に、立地や自然条件、制約などを整理した上で、環境対策を含めた施工方法や手順などを検討。仮設計画や資機材調達計画も立案し、工事全体の工程計画を作成して工事費を算出する。年度内に成果をまとめ、事業化に向けた関係者との協議などに備える。
提供:建通新聞社