滋賀県総務部は、今年度中に「びわこモーターボート競走場」の施設等長寿命化計画を策定する。現施設のメインとなる新スタンドが完成後、20年近く経過、他の各種施設も更新が必要な時期となっていることから、計画的な維持管理、改修、整備を推進する必要があると判断したもの。所管の同部事業課では、現在の遊休スペースを含め、全ての施設を有効に活用できる、総合的な施設とするための構想・計画を取りまとめる考え。長寿命計画に基づく各種実施期間は、来年度から20年間。策定に当たっては、17日付2面で既報の通り、公募型プロポーザルで担当コンサルタントを選定し、業務を委託、来年3月末日までに完了させる方針。
びわこモーターボート競走場(大津市茶が崎)の現施設は、メインの新スタンド(S及びSRC造5階建地下1階、延1万2848・2平方b)、競技総合センター(延5135平方b)、外向発売所レイクル、旧管理棟、第2管理棟の他、皇子が丘第1駐車場(大津市皇子が丘、立体駐車場、延8509平方b)、茶が崎第2駐車場―など。
現在の各種施設は、1991年から長年にわたって順次整備されてきたが、新スタンド、競技総合センターが築後20年前後で更新が必要な時期となり、また近年のスマートフォンの普及によって来場者が減少、一部施設は閉鎖して対応するなど、時代の変化にも向き合うことが求められており今回、アミューズメント性の高い施設改修等による来場促進はもとより、コンパクト化により生まれる空きスペース等を活用し、行政や周辺地域にも貢献できる、新しいモーターボート競走場の方向性を示すこととした。
長寿命化計画は、@安全、確実、円滑な競技運営と来場者の安心と安全を担保するための整備A女性や若年層、ファミリー層など新規ファンの獲得に資する快適性や施設イメージの向上B地域資源として活用できる施設への進化―以上を主要取組みと位置付け。計画期間は来年度から20年間とし、▽本場の現状分析および将来予測▽建物配置計画図の作成▽各施設、設備の修繕、改修、整備に係る概算工事費、委託料等の積算(計画期間の年度毎の積算合計額も示すこと)▽現状分析と課題の抽出、今後の方向性の検討▽各種施設、設備の修繕および更新計画の策定(長寿命化、維持管理コストの縮減)▽施設、設備規模の最適化の提案▽計画期間20年間における施設、設備の整備実施方針および実施スケジュールの提案(優先順位の検討含む)―等を盛り込む。また新スタンドの効率的な運用として▽ロイヤル席(ルーム)の新規整備▽外向発売所内指定席の新規整備▽外向発売所内休憩エリアの機能強化▽女性や子ども、ファミリー向けエリアの整備▽指定席の整備▽ユニバーサルデザインの採用▽LED化―等についても検討されることとなる。
なお、現在の新スタンドは竹中工務店―松井工業JVが施工。
提供:滋賀産業新聞