神奈川県は、第2期行政改革大綱(2019〜22年度)の素案をまとめた。取り組み分野のうち財政改革では、公共施設を計画的に管理・利用するため、統合・廃止などを定めた個別施設計画を20年度までに作成するとした。ICTの利活用も柱として位置付け、今後策定するアクションプラン「かながわICT・データ利活用推進計画」に基づき、インフラ・防災・減災などに活用していくとした。
大綱の取り組み分野は、▽働き方改革▽組織・人事改革▽財政改革▽ICT利活用改革▽情報発信改革―の五つで、それぞれのアクションプランによって具体的な施策を展開していく。
財政改革のアクションプランの一つ「神奈川県公共施設等総合管理計画」は、公共施設の計画的な管理・利用を進めるためのもの。大綱素案では、この管理計画に基づき、施設ごとに取り組み方策を定める個別施設計画を20年度までに作成するとした。取り組み方策は、大規模修繕などの予防保全措置を的確に行う長寿命化対策、需要の変化や施設の必要性を踏まえた施設の最適配置を挙げている。
施設の整備・運営についてはこの他、民間資金・ノウハウの活用を盛っている。具体的には、民営化や民間委託、PFI、指定管理者制度など、整備・管理運営を民間事業者に委ねる手法を活用。また、民間活力の活用に関する提案制度により、積極的に民間委託を検討するとしている。
ICTの利活用に向けては、アクションプラン「かながわICT・データ利活用推進計画」に基づいた業務全般の効率化を目指していく。その推進計画で重視すべき分野に位置付けているのは、インフラ・防災・減災等や、農林水産・環境、教育など。
このうち、インフラ・防災・減災等は、ICTによる災害時対応の効率化、インフラ面の整備推進などを取り組み内容とした。農林水産・環境分野では、施設園芸の温室内制御技術の開発、持続可能な環境づくりに取り組む。教育では学習者のICT環境を充実させることにしている。
大綱素案ではまた、情報発信改革として、県民利用施設の「見える化」を掲げた。各施設の設置目的、概要、利用状況、収支状況などを示した「県民利用施設一覧表」を作成、公表する方針だ。
提供:建通新聞社