大阪、京都、滋賀、奈良、兵庫、三重にまたがる淀川水系の51市町村は、5月20日に開いた淀川水系河川整備促進大会で、治水対策の加速や河川管理施設の維持管理、財政措置などを盛り込んだ緊急提言を国土交通省に対して行った。参加した関係市町村のトップらは「いつどこで発生してもおかしくない」(高槻市の濱田剛史市長)、「スピード感を持って治水対策を推進してほしい」(京都府亀岡市の桂川孝裕市長)と、各地で甚大な被害を及ぼしている自然災害に対する危機感を強めており、淀川水系でも現行の河川整備計画を変更して必要な予算を十分に確保しながら、抜本的な河川改修を進めることを強力に求めた。
提言書には@治水対策の加速A河川管理施設の維持管理B河川環境C河川整備計画の変更D財政措置―の5項目を盛り込んだ。治水事業を進める上での難点とも指摘される琵琶湖や狭窄(きょうさく)部の存在、木津川・宇治川・桂川が淀川に注ぐ「三川合流部」など、淀川水系の特長を踏まえた川幅の拡幅や築堤、堤防補強などの河川改修やダム事業などの治水事業を一層加速して進めることを指摘した。
流域全般では、河川管理施設の地震・津波対策や長寿命化の推進、施設機能維持・堆積土砂管理・河道内樹木管理など適正な維持管理、治水対策に用する予算総額の確保などを盛り、水系内の各河川ごとでも治水安全度向上に向けた対策を求めた。
提供:建通新聞社