船橋市の第14回市立医療センターの在り方に関する検討委員会(中山茂樹委員長)が21日開かれ、事務局から基本計画について報告を受けた。それによると、基本計画時点での概算整備事業費は437億円、建物規模は延べ約5万u、病床数は501床。病床数は、ほかに一般病床で対応が困難な精神身体合併症患者を受け入れるための病床(7床程度)について県と協議中。組合施行による海老川上流地区土地区画整理事業区域内への移転となるため、同土地区画整理事業の進捗状況を見ながら整備手法を固め、2020年度で基本設計、20〜21年度で実施設計、21〜23年度で建設工事を進め、23年度中の開院を目指す。
移転候補地の敷地概要(土地区画整理事業の土地利用計画に基づく想定)は、面積4万800u、用途地域が第2種住居地域(容積率200%、建ぺい率60%)で、東葉高速鉄道の新駅に近く、都市計画道路3・3・8号線(22m道路)、3・4・25号線(16m道路)に接している。
基本計画はアイテックが担当。@高度かつ患者中心の医療を提供できる施設A機能性・経済性に優れた施設B将来の「成長と変化」に対応できる施設C災害時に機能を発揮できる施設を整備基本方針に、利用者が安全に利用できる計画とし、新駅からの来院のしやすさに考慮するとともに、エネルギーセンターを別に設けるなど病院内スペースの有効活用を検討。次期の建て替えや増改築等を見据えた配置計画とする。
建物規模(病院本体)は免震構造を採用し、延べ約5万u、建築面積約1万uを想定。関連部門を隣接・近接して配置する、患者動線と職員動線を分ける等、患者の利便性や職員の働きやすさを考慮。低層階に外来部門や救急部門、手術部門等の診療に関する部門を配置するとともに、高層階には病棟部門を配置し、スタッフステーションから各病室が見渡せる視認性の良い計画とする。
病床数は、既設449床(一般412床、緩和ケア20床、ICU8床、SCU9床)に対し、新病院は501床(一般441床、緩和ケア25床、ICU20床、SCU15床)で、ほかに精神身体合併病床(7床程度)について県と協議中。
また、付帯設備計画としてヘリポート、駐車場(900台程度)、救急ステーション(ドクターカーの拠点)、院内保育所を整備。ヘリポートの設置場所は基本設計で決定する。
在り方検討委員会からは、ヘリポートの設置場所や、トリアージスペースの確保(屋内だけでなく屋外にも)、安全な歩行者動線の確保に配慮した駐車場の配置などについて、基本設計でしっかり検討してほしいとの要望が出された。
概算事業費437億円(消費税率10%で試算)の内訳は、設計・工事監理料等11億円、工事費(駐車場、保育所含む)290億円、医療機器等整備費74億円、移転費用1億円、用地取得費61億円(非課税)。
本年度は公募型プロポーザルで、市立医療センター建て替え基本設計発注準備業務の住宅候補者として日建設計を特定しており、基本計画の内容を踏まえて、新病院の設計与条件等を専門的な技術・経験を生かして整理することにしている。