徳島市水道局庁舎整備基本計画を策定するための有識者会議「市水道局庁舎整備検討会議」(会長・上月康則徳島大学教授)の第4回会合(最終)が5月14日、局本庁舎で開かれ、事務局(局)が示した基本計画(案)について議論した。局は寄せられた委員の意見を反映させ、6月末までの基本計画のとりまとめを急ぐ一方、市議会定例会に現状の報告を行うことにしている。
当日は、前回会合で議論(決定)した配置方式(分庁舎方式)や新庁舎等(新庁舎、倉庫)の規模、事業手法の他、新庁舎の施設計画(配置計画、平面計画、防災計画、構造・設備計画)、概算事業費、事業スケジュールを新たに盛り込んだ同計画案を委員に示した。
配置計画では、幸町の本庁舎用地(991平方b)のうち、現庁舎が建っている範囲を計画敷地とし、敷地北側にある住宅に対して、圧迫感や日影を考慮する他、北側の市道に沿って来庁舎用の出入り口を設ける計画。
平面計画や防災計画については今後、基本設計時に最適なものを検討するため流動性が高いものの、浸水対策などを十分に考慮した施設、ゾーニングを図る考え。構造については官庁施設の総合耐震計画基準を基に、構造体を「U類」、非構造部材を「A類」、建築設備を「甲類」に相当する性能を持たせるとした。構造体U類はTs値0・75の建物で、他都市の事例にならったとした。
設備計画では基本設備に加え、災害対策設備として、燃料備蓄72時間分のディーゼルエンジン非常用発電機や非常用汚水貯留槽、災害対策本部用の単独個別空調(発電機回路対応)などを盛り込んだ。概算事業費の算定では、調査・設計・工事監理費(地質・埋蔵文化財調査費等、建築設計および工事監理)に2億3200万円、建設工事費(新庁舎・車庫・外構工事および解体工事)に19億3000万円、その他経費(備品購入等)に6800万円として、総額22億3000万円(税別)を示し、事業費を可能な限り抑制するなど、確実で効率的な施設整備を進めるとした。
なお、新庁舎の整備に当たっては、建設期間中に仮庁舎が必要になるが、局の考えとして、できるだけ仮設庁舎の建設は避け、市有施設の空きスペースなどを活用し対応したいとし概算事業費を算出したとした。また、本庁舎の規模は、前回まで延べ3750平方bで議論していたが、同計画案では新庁舎の必要規模を4000平方bに設定し直した。
この他、事業方式については、前会合で委員の総意として「従来方式が妥当」としていたが、同計画案では事業スケジュールに事例として示すにとどめ、デザインビルド方式と比較し、最も効果的な事業手法を検討していくとした。その従来方式による事業スケジュール=表=では、上下水道局が発足する2020年度に既設の解体着手と基本・実施設計着手、21年度に新庁舎に着工し、23年度の供用を目指すとした。
委員からは、記載内容に関する意見の他、「庁舎の規模増床の可能性」「階数」「公用車の津波等浸水対策」「BCPの反映」などについて意見が寄せられた。
提供:建通新聞社