出水期を前に香川県、四国地方整備局と高松地方気象台の他、県内の防災関係機関で構成する「香川県防災会議水防部会」(部会長・片山秀樹土木部長)が5月15日、県庁内で開かれ、危機管理型水位計の設置などを位置付けた県水防計画の変更案を原案通り了承した=写真。
2015年12月の社会資本整備審議会からの「大規模氾濫氾濫に対する減災のための治水対策のあり方」の答申を踏まえ、洪水による氾濫発生を前提に社会全体でこれに備える「水防災意識社会」の再構築に取り組むこととされ、国土交通省では危機管理型水位計を開発。洪水時の水位観測に特化した低コストな水位計を開発することで、水位計の普及促進と水位観測網の充実を展開している。
香川県では、これまでに既存タイプの水位計を94基設置し、18年度は新たに危機管理型水位計を34基設置した。本年度は2月補正予算で計上された危機管理型水位計を28基設置する。水防計画に既存水位計同様、危機管理型水位計設置の観測ポイントや危険水位を盛るなど位置付けて、今後、順次整備拡大する方針。
同水位計は既存タイプと異なり、太陽光パネルにより無給電で5年以上稼働し、小型化により省スペースを確保。初期コストが1台100万円以下、維持管理コストも低減できる特徴がある。
また、平常時の水位監視に加え、一定の水位を超過した時に自動的に観測モードを切り替え、水位データをクラウドに伝送し閲覧もできる。
変更案ではこの他、1、2級水系(県管理河川)で重要水防区域(洪水)として位置付けられた箇所が、河川改修整備などにより1級水系(赤山川)で延長20bが整備完了。2級水系(10河川)で延長670bの整備により計690bが危険度区分(洪水)の総延長から減少した。
また、国土交通省河川局と港湾局、農林水産省と水産庁所管の海岸、港湾、漁港施設の重要水防区域(※高潮、津波による被害や風浪による越波などの被害が予想され水防活動により相当の効果があると予想される区域)と、特に危険な区域(背後地が低く、施設の整備を要する区域)のうち、改修に伴い危険区域が解消した。
特に危険な区域では、農林水産省所管の京の浜海岸改修により延長71bが危険区域から解消。また水産庁所管の小手島漁港などの改修により延長1106bの計1177b分が危険区域から減少した。
提供:建通新聞社