東京都建設局は「石神井川上流部における調節池基本検討」業務をオオバ(千代田区)に、「目黒川流域における治水対策検討」と「野川流域下流部における治水対策検討(その2)」業務をそれぞれ日水コン(新宿区)に委託した。いずれも新たな調節池の整備に向けた施設内容を検討するもので、石神井川では地下トンネル式で容量約30万立方bの規模を想定。配置場所や面積、深さ、口径など施設内容を複数検討して概算工事費を算出し、事業内容の絞り込みにつなげる。目黒川と野川の流域では、沿川の土地利用状況などを基に候補地となる公共用地を選定し、施設形式などを検討する。
石神井川では、河川整備計画の中で、西東京市内の向台橋〜南町調節池間に容量約11万7000立方b、上柳沢橋〜溜渕橋間に約17万6000立方bの調節池を配置することを位置付けている。2018年度に実施した基礎調査で複数の工法を比較検討した結果、地下トンネル式が最も適していると判断したことから、施設計画を具体化する。
取水施設の形式を検討して必要な堰高、堰長を算出し、基礎調査で設定した候補地で施設配置が可能か精査。その上で、調節池の設置場所や、深さ、延長、トンネル口径など施設規模を複数案検討し、概算事業費を算出する。併せて維持管理に必要な施設、設備なども考え、維持管理方法をまとめる。
目黒川流域では、時間雨量75_対応として、暗渠区間となっている▽支川・北沢川の2級終点〜宮前橋間(容量約13万2000立方b)▽支川・烏山川の梶山橋〜若林橋間(同約28万3000立方b)▽支川・蛇崩川の2級終点〜駒留橋間(同約5万7000立方b)―の3カ所に調節池を配置する計画。
また、野川流域については、野川で既存の野川大沢調節池の増強を含め8カ所の候補地に合計約80万立方bの調節池を整備する他、仙川で3カ所計約26万立方b、入間川で1カ所約2万9000立方bの調節池を配置することを計画。このうち下流域では、野川の小田急線〜入間川合流点間と、支川である仙川の野川合流点〜小田急線間を候補の区域としている。
目黒川流域と野川流域では、今回の検討業務を通じ、沿川の土地利用状況などを基に候補地となる公共用地を選定。堀込み式や地下箱式、地下トンネル式など調節池の施設形式を選定し、取水量や施設配置などを整理する。これを基に治水効果の発現性や周辺環境への影響、施工性、経済性などを比較検討し、最も適した施設形式を絞り込む。
提供:建通新聞社