日本工業経済新聞社(茨城)
2019/05/13
【茨城】鮎川停車場線は西工区改良/県議会が県北地区調査
県議会土木企業委員会(島田幸三委員長)は10日、県北地区の県内調査を行い、管内の港湾施設や道路整備状況を視察した。茨城港常陸那珂港区はD岸壁やモータープールの整備を実施。鮎川停車場線ではJR交差部の工事と用地取得がまとまった西工区の改良工を推進。国道461号水府里美拡幅事業では、北沢トンネルの整備に取り組む。国道123号では現道の拡幅と御前山バイパスのルート検討を進めている。
まず一行が視察に訪れた茨城港常陸那珂港区では、貨物量増加への対応や企業立地の促進、利用船舶の安全性向上などを目指して港湾施設や関連用地などの整備を進めている。また常陸那珂火力発電所から発生する石炭灰の新たな処分場の整備にも取り組んでいる。
今後、建設機械や完成自動車の取扱量は増加する見込みであり、既存施設だけでは円滑な利用に支障が生じることから新たな水深12m岸壁(D岸壁)およびモータープールU期の整備を推進している。本年度の事業費(当初予算)は228億4500万円(県=217億8200万円、直轄=10億6300万円)。
続いて日立市の都市計画道路鮎川停車場線整備事業の現場に移動。同事業は、日立市の南北軸を結ぶ国道6号と、国道245号を東西に結ぶ。さらに国の事業で進められている国道6号日立バイパス(U期事業)とも接続する主要幹線道路。日立市内の渋滞緩和、大規模災害時における緊急輸送道路網の強化などが期待される。
概要は延長850m、幅員25m(4車線)。事業費は91億円で、事業費ベースの進捗率は2018年度末で73%。
国道6号側の西工区(L422m)では、19年度に道路改良工事や用地補償に取り組む。JR常磐線と交差し国道245号につながる東工区(L428m)では常磐線をアンダーパスする区間をJRに委託して整備中。20年度の完了を予定する。
その後は国道461号水府里美拡幅事業における(仮称)北沢トンネルの工事現場に赴いた。国道461号は栃木県日光市を起点とし、県北地域を横断して高萩市に至る広域的な幹線道路だが、常陸太田市上高倉町〜折橋町の区間は幅員が狭小で屈曲しており、円滑な交通に支障が生じている。
そのため1999年度から全体延長7・2qの事業に着手。このうち縦軸3・8qは供用開始しており、現在は横軸3・4qを整備中。
(仮称)北沢トンネルは常陸太田市下高倉町〜折橋町に位置し、北沢峠を貫く道路となる。2016年3月から設計に着手し、18年6月からは準備工を実施。19年2月には発破掘削を開始した。延長1581m、幅員8/6mで、施工はNATM工法を採用。
最後に常陸大宮市野口地内に移動し、国道123号の御前山拡幅現場を視察。同路線は栃木県宇都宮市から水戸市を結ぶ広域幹線道路で通勤・通学や災害時の緊急輸送道路として重要な役割を担う。しかし野口地内の区間は幅員が狭く、特に那珂川大橋は大型車の交互通行が困難な状態にある。
そのため04年度から事業区間約1・3qの道路整備を行っており、19年度は480m区間の道路改良舗装工事を行う。事業費ベースの進捗率は85%(18年度末)。
那須烏山線から東側のルート検討については地元の要望なども踏まえ、国の河川整備計画と整合を図りながら可能な限り早いルート確定を目指す。