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日本工業経済新聞社(茨城)
2019/05/08

【茨城】新庁舎は11月にも工事発注/大子町がS造2階建て3500u

 大子町では新庁舎建設に向けて、現在は実施設計の策定を進めている。基本設計の概要によると、規模はS造2階建て、延べ約3500u。建築面積は約2100u、最高高さは約13m。計画では11〜12月ごろに工事を発注し、12月定例会またはその後の臨時会にて工事契約議案を上程する。竣工は20年度内を目指す。21年度には外構工事や既存施設の解体工事を行う。
 現在の本庁舎は建築から57年が経過し、老朽化や狭あい、耐震性の不足といった課題を抱えている。町は早急な建て替えが必要であると判断し、事業を推進。18年度には設計事業者に渇涛。克彦建築研究所(東京都港区)を選定した。
 18年12月に就任した高梨哲彦町長の意向により、コスト縮減のため計画を一部見直し。階高を3階建てから2階建てに、延べ床面積を約20%削減した。具体的なコスト削減額は現在積算中であり明らかになっていないが、19年度当初予算で設定した予算額21億9322万9000円(2カ年継続費)よりも抑えられる見通しだ。
 庁舎の特徴としては、会議室や相談スペースに可動間仕切りを用いることで可変的な空間として整備。町民利用スペースとの一体的な利用を可能とする。
 またオープンな空間に執務スペースを集約させることで、将来の組織改革に伴うレイアウト変更にも柔軟に対応できる構成とした。
 環境への配慮では、開口部を配置して庁舎全体を自然通風により換気できる計画を検討する。庇や外装ルーバーは日射負荷の低減に貢献。地場産木材の活用も積極的に行う予定。
 そのほか、町民が安心して利用できる防災拠点とするため1階の床を押川沿いの堤防よりも60〜90p高く設定。屋上に設備機械スペースを設けることで、水害による行政機能の停止を防ぐ。
 さらに非常用発電機を設置することで、停電時にも通信設備や照明が72時間程度稼動できる体制とする。
 なお町では基本設計案についてパブリック・コメントを募集している。資料の閲覧および意見募集期間は5月20日まで。問い合わせは総務課庁舎建設準備室(電話0295−72−1111)まで。