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　国土交通省下館河川事務所は２０１９年度の事業概要をまとめた。鬼怒川緊急対策プロジェクトの事業費には18年度から40％増の１２９億２２００万円を計上し、用地取得を進め堤防整備、河道掘削を重点推進する。さらに防災・減災、国土強靭化のための３カ年緊急対策費も計上したため、事務所全体の事業費も同37％増の１６６億９８００万円と大幅に増加した。業務関係では鬼怒川支川田川合流点への水門整備に向けて測量、地質調査、設計などを行う。
　鬼怒川緊急対策プロジェクトは15年９月の関東・東北豪雨で大きな被害を受けた鬼怒川下流域（守谷市〜筑西市）で緊急的な治水対策を行うもの。19年度は河川激甚災害特別緊急対策事業に１１６億９３００万円、河川大規模災害関連事業に12億２９００万円の合計１２９億２２００万円を計上した。これは18年度当初と比べると40％の増額。
　堤防整備に必要な用地取得を進めるとともに、取得が完了した区間で堤防整備、河道掘削などを実施する。
　19年度の発注計画によると「鬼怒川右岸内守谷町下流築堤工事」（築堤Ｌ５５０ｍ、盛土約２万７０００立方ｍほか、常総市）、「右岸片角下流築堤工事」（築堤Ｌ約８００ｍ、盛土約２万７０００立方ｍほか、八千代町）、「右岸林築堤工事」（築堤Ｌ１１５０ｍ、盛土約７万立方ｍほか、結城市）などを順次、発注していく（19年度発注計画は本紙４月２日付12面に掲載）。
　鬼怒川ではそのほか、関東・東北豪雨で浸水被害が発生した支川の田川沿川の被害防止へ、県の田川堤防整備と合わせ、田川合流点に水門を整備する。19年度は測量、地質調査、設計などを行う。
　また上流部の河岸侵食・洗掘対策として栃木県宇都宮市石井町地区で低水護岸（Ｌ50ｍ）を整備する。
　一方、小貝川の河川改修事業には８億１９００万円。常総市大崎町地区（右岸25・６�q付近）、つくばみらい市十和地区（左岸21・０�q〜22・０�q）、取手市藤代地区（右岸２・６�q付近）で堤防整備を行う。
　鬼怒川・小貝川の維持管理では、堤防除草、河川巡視、河川管理施設の定期的な点検・整備を実施。
　そのほか緊急対策として河川内の樹木伐採や河道掘削を推進する。鬼怒川では常総市、下妻市、八千代町、栃木県宇都宮市、真岡市、上三川町などで、小貝川ではつくばみらい市、下妻市、筑西市で樹木伐採を、取手市、常総市、つくば市などで樹木伐採と河道掘削を行う。
　水辺整備では、鬼怒川で常総市の水海道河岸跡でリバースポット（管理用通路など）の整備を行うとともに、管理用通路をサイクリングロードとして活用するための整備を行う。小貝川では常総市の川の一里塚や下妻市の愛国橋など６カ所でリバースポットを整備する。