日本工業経済新聞社(茨城)
2019/04/09
【茨城】日本原電が19年度経営基本計画/東海発電所でタンク撤去工
日本原子力発電鰍ヘ2019年度の経営の基本計画をまとめた。再稼働を目指している東海第二発電所(東海村)では安全性向上対策工事を着実に進める。廃止措置(解体撤去工事)を進めている東海発電所(東海村)では19年度はオイルタンクファーム内のタンク撤去工事を行う。放射性レベルが極めて低いものを埋設する施設については、事業認可が得られ次第、工事に着手する予定。
東海第二発電所、東海発電所の19年度の基本計画は次のとおり。
【東海第二発電所】
発電所の再稼働へ向けて、18年9月に原子炉設置変更許可(安全対策の基本設計)を、10月に工事計画認可(安全対策の詳細設計)を、11月に運転期間を20年間延長する許可を取得。19年2月には県知事や関係自治体の首長に再稼働を目指す方針を表明した。
これらの許認可の内容を安全性向上対策に反映させるとともに、対策工事を実施する。対策工事は現在、防潮堤の設置に向けて予定場所の調査や資機材搬出入、干渉物調査、発電所取水口の海水ポンプ室周りの準備工事を進めている。重大事故時の対策強化では代替注水用配管の敷設工事などを実施。格納容器圧力逃がし装置の建物設置(地下埋設方式)への準備作業も行っている。
さらに発電所周辺の市町村での状況説明会を4月23日から順次、開催する。
19年度以降の運転計画については、運転再開の目途が立っていないため未定。計画変更の内容が確定次第、計画変更を行う。
【東海発電所】
廃止措置(解体撤去工事)を継続する。廃止措置工事は01年12月から開始。これまでに原子炉領域以外のタービン他周辺機器撤去工事、燃料取替機撤去工事、熱交換器周辺機器撤去工事、熱交換器本体撤去工事(4基)の2基目となる1号熱交換器撤去工事が完了している。18年度は変圧器本体等撤去工事のうち加熱強制循環洗浄処理作業を行い、完了した。
19年度はオイルタンクファーム内のタンク撤去工事を予定している。原子炉領域については安全貯蔵を継続する。
一方で当初は19年度から原子炉領域の解体撤去に着手する計画だったが、工事で発生する廃棄物を収納する容器の仕様などの決定に時間が掛かるため工期を5年間延期。原子炉領域の解体撤去は24年度からに変更した。廃止措置の全体工程も30年度までに延期する。
24年度から原子炉領域の解体準備工事を行って原子炉領域の解体に着手し、炉内挿入物取出撤去工事、原子炉本体解体撤去工事などを29年度まで行う。その後、建屋などの撤去を行い、廃止措置を完了させる。廃止措置実施方針による廃止費用(見積相当額)は施設解体費約347億円、解体廃棄物処理処分費約538億円の合計約885億円。
さらに廃止措置工事によって発生する低レベル放射性廃棄物のうち、放射能レベルが極めて低いもの(L3)の埋設施設の設置を計画。15年7月に埋設事業許可申請を行い、16年12月に補正書を提出しており、事業認可が得られ次第、工事に着手する。