葛西臨海水族園の再整備について検討している東京都の有識者会議は5月9日、都庁内で分科会を開き、新たな水族園の施設要件として、展示内容ごとの水槽や設備、演出といった要求事項を整理した。最も規模の大きい「外洋の生態系」は、大型のマグロ展示を目玉とし、深さ6b、水量3000dの水槽を設置。さまざまな角度から観察ができる形状にするとともに、密閉ろ過設備やばっ気装置、温度調節設備、滅菌装置などを配置する。次に大きい「サンゴ礁の生態系」では深さ3〜5b、水量300〜500dの規模の水槽を整備し、自然光や強い光源により明るい海とサンゴの世界を再現する。分科会ではこれらの施設要件を基に、最終的な施設の規模や性能、整備コストの算定方法などを固め、年内に最終意見をまとめる。
葛西臨海水族園事業計画検討会が整理した主な展示ごとの水槽想定(要求事項)は、東京湾流域の生態系が▽「河川(源流〜上流)」が水槽の深さ1b、水量70dで、設備は密閉型ろ過設備、ばっ気装置、温度調節装置、霧発生装置▽「河川(池沼)」が深さ1b、水量205dの水槽で、設備は開放型ろ過設備▽「東京湾(砂地)」が深さ2b、水量100dの水槽で、設備は密閉型ろ過設備とばっ気装置、温度調節設備―。
温帯から亜熱帯の海の生態系では、水槽の規模を深さ0・1〜4b、水量215dとし、設備として密閉型ろ過設備とばっ気装置、温度調節設備、プロテインスキマーを装備する。
深海の生態系の水槽は深さ1〜3b、水量40d以上で、密閉型ろ過設備、ばっ気装置、温度調節設備、滅菌設備を配置する。
局地の生態系(極地にすむ鳥)については、水槽の規模が深さ2b、水量100dで、密閉型ろ過設備や温度調節設備、オゾン滅菌装置などを整備する。
海と空と陸をつなぐ生き物の展示のうち「温帯のペンギン」では、深さ3b、水量300dの水槽を配置し、密閉型ろ過設備や温度調節設備、オゾン滅菌装置を設置する。
検討会ではこの施設要件を基に、飲食施設や非公開領域を含めた施設の最終的な規模や性能、整備コストの算定方法などを固める。
提供:建通新聞社