国土交通省は4月26日、入札契約制度の見直しや多様な入札契約方式の導入を支援する「入札契約改善推進事業」で、2018年度に支援を受けた4市町の報告会を開いた。神奈川県愛川町は、平準化率の計算や平準化グラフ作成が可能なツールを年間発注計画の立案に活用。地元企業の担い手を確保するため、地域貢献企業を評価する条件付き指名競争入札の導入や優良工事表彰の創設も決めた。高知県四万十市は「文化複合施設整備事業」の入札契約方式を設計者・施工者へのアンケート結果を踏まえて決定した。
入札契約改善推進事業は、2014年度に「多様な入札契約方式モデル事業」としてスタートし、18年度に現在の名称に改めた。国交省が建設コンサルタントなどの専門家を地方自治体に派遣し、多様な入札契約方式の導入や入札契約制度の見直しを支援する。
愛川町は、施工時期の平準化と地元企業の担い手確保・育成を図るため、庁内に入札契約制度の見直しに向けたワーキンググループを設置。月単位で平準化率を算出し、グラフを作成できるツールを活用し、予算編成時に債務負担行為を設定する工事を選定できるようにした。このツールは、愛川町で入札不調の多い小規模工事(130万円以上)にも対応している。 地元企業の担い手確保・育成を後押しするため、優良工事表彰制度や地域貢献度の高い企業を評価する条件付き指名競争入札などを導入する方針も決めた。
一方、高知県四万十市は文化複合施設整備事業、神奈川県横須賀市はこども園整備事業に対する推進事業の成果を報告。いずれの市も、設計・施工一括発注方式の採用を想定していたものの、市内・市外業者へのアンケート結果などを踏まえ、設計・施工分離方式を採用する方針を固めた。
道路除排雪の改善を検討した青森県むつ市は、受注企業が参加する組合(事業協同組合、協業組合)の設立を検討するとした。除排雪業務の精算も効率化する。
提供:建通新聞社