東京都財務局は5月7日、「市政会館・日比谷公会堂(31)増築及び改修工事基本設計」の業務委託先選定に伴うプロポーザル手続きを開始する。一体の施設として建設した既存建物に免震レトロフィット工法を採用して安全性を確保するとともに、公会堂を大規模改修して多彩な催事に利用できる多目的ホールとなるよう機能を充実させる計画。13〜17日に参加表明書を受け付けた後、技術提案書の提出を要請。7月3日のヒアリングを経て設計者を特定し、8月1日に見積もり合わせを行って業務を委託する。
市政会館・日比谷公会堂(千代田区日比谷公園内)の規模は鉄筋コンクリート一部鉄骨造(耐震壁付きラーメン構造)地下1階地上6階塔屋4階建て延べ1万6339平方b(公会堂部分が6298平方b、市政会館が1万0040平方b)。1929年の完成で、都の歴史的建造物の他、経済産業省の近代産業遺産、千代田区の景観まちづくり重要物件に位置付けられている。老朽化し耐震性が不足していることなどから、現在は使用を休止している。
今回の事業では、免震工法を採用して建物全体の安全性を確保するとともに、日比谷公会堂の内部を中心に大規模改修する。
車いす対応を含めた客席数、アクセシビリティー、音響性能、控室・バックヤードなどの規模や配置を検討するとともに、関係諸室や共用部の整備内容、動線計画・バリアフリー化、防災計画、工程、概算費用などを詰め、改修工事の内容を固める。これまで改修を重ねてきた設備は全面的に更新する方針で、延べ床面積500平方bの増築工事では、設備の室外機などを配置することを想定している。
基本設計の納期は2020年3月31日。参考業務規模は9900万円程度(税込み)。
20〜21年度に引き続き実施設計を行い、21〜24年度の4カ年で改修工事を実施する予定。
提供:建通新聞社