東京都建設局は神田川と渋谷川・古川、呑川の3水系で新たな調節池の整備に向けた検討を開始する。多発する豪雨災害への備えとして時間雨量75_に対応するため、神田川では高戸橋〜駒塚橋間に容量約30万9000立方b、渋谷川・古川では新並木橋〜渋谷橋付近に約22万立方b、呑川では九品仏川合流点付近に2カ所計約9万立方bの調節池を配置する考えで、それぞれ候補地となる用地や施設の形式、規模などを絞り込んでいく。検討業務を河川ごとに希望制指名競争入札で委託することとし、4月26日まで希望申請を受け付けた後、5月22日に開札して委託先を決定。年度内に成果をまとめる。 神田川では、環状七号線地下調節池に続き、同調節池と白子川調節池を連絡する形となる環状七号線地下広域調節池の建設を進めている。さらなる治水能力向上に向け、高戸橋(新宿区西早稲田3丁目)〜駒塚橋(文京区目白台1丁目)間に、容量約30万9000立方bの調節池を新設する。 渋谷川・古川で調節池の整備を計画するのは、新並木橋(渋谷区渋谷3丁目)〜渋谷橋(恵比寿1丁目)付近で、容量はに約22万立方b。 呑川では九品仏川合流点付近に容量約4万立方b、石川橋〜九品仏川合流点間に約5万立方bの調節池を配置する。 いずれも対象となる区域の土地利用や地下埋設物などを調査・確認し、整備候補地を選定する。その際、公共用地の活用を前提としつつ、使用可能な民間用地も探る。 その上で、調節池の「地下箱式」「地下トンネル式」「オープン式」などの基本構造を考え、それぞれの設置位置や施設規模の概略を検討し、概算事業費や工期を算出する。水を取り込む取水施設や、調節池に取り込んだ雨水を川に排出するための排出施設などの基本構造も併せて検討する。 治水効果や事業効果も検証し、最も適した整備場所や構造形式などを絞り込んでいく。
提供:建通新聞社