大会後のまちづくりや施設の活用について話し合う、第20回アジア競技大会名古屋市レガシー・ビジョン有識者懇談会(原田宗彦座長)の最終となる第5回会合が名古屋市内で開かれた。ビジョン素案が示されるとともに、今秋(10月以降)にビジョンを策定・公表することを確認した。
素案によると、アジア競技大会を契機として名古屋市が目指すまちの姿は「NAGOYAビジョン(仮称)」。▽健康・地域活力▽魅力・誇り▽国際交流・多様性▽イノベーション・持続可能性―の四つのコンセプトを踏まえ、主な取り組み(具体的な施策)を示した。
主な取り組みのうちハード面では、大会後のまちづくりに関して、選手村の整備と跡地を含めた港北エリアのまちづくり推進(総務局・住宅都市局)を盛り込んだ。今後、名古屋競馬場跡地に整備するメイン選手村の計画、整備を検討。併せて、跡地を含めた港北エリアの在り方について検討を進める。
大会後の施設の活用については、瑞穂公園の整備(教育委員会)と国際展示場の運営・整備(観光文化交流局)を挙げた。
瑞穂公園は大会後も名古屋市のスポーツ振興拠点となるよう、体育館や陸上競技場の施設整備を進めるとともに、市民の憩いの場や地域の防災拠点機能の導入を導入を視野に公園全体の整備を計画する。一方、国際展示場は、拡大・多様化するMICE活動に対応した管理・運営を考える。
この他、名古屋城の整備(観光文化交流局)、名古屋駅ターミナル機能の強化(住宅都市局)、地下鉄駅の内装・照明などのリニューアル、新たな路面公共交通システム(SRT)の導入推進などが盛り込まれた。
今後は、5月中に推進本部会議を開催しビジョン案を確定。6月に所管事務調査(ビジョン案)、7月にパブリックコメント、10月に推進本部会議を再度開き、ビジョンを確定し、同月以降に正式に策定・公表する。
原田座長をはじめ委員からは、「これまで4回の会合で議論を深めてきたが、今回が最終。総括してほしい」「名古屋を世界に売り込む千載一隅の機会。シティプロモーションも大切」「ビジョンをしっかり理解して選手村など今後の施設整備に取り組んでほしい」といった意見出た。
アジア競技大会は、アジア特有の競技を実施するスポーツイベントで、4年に1回開催している。第20回大会は26年9月19日〜10月4日の開催を予定。開催地は名古屋市瑞穂公園陸上競技場(メイン会場)。選手村は名古屋競馬場跡地他県内に分散配置する。これを機に名古屋市は、大会後の跡地活用や周辺のまちづくりについての検討を進めている。
提供:建通新聞社