愛媛県は、三島川之江港(四国中央市)の金子地区国際物流ターミナルにガントリークレーン(荷役機械)1基を設置するため、5月中にも一般競争入札で発注する。詳細設計や製作・据え付けの一括発注となり、工事請負契約議案を9月議会に諮る。2019・20年度の2カ年で整備するため、事業費として当初予算に3億6000万円と債務負担行為限度額として7億2800万円を設定している。20年度中の稼働開始を目指す。
設置される金子地区の岸壁は水深14b、5万d級1バース、延長280b。三島川之江港の背後地は製紙産業の集積地となっており、木材チップやパルプ、石炭などの取扱量が多い。
港湾は愛媛県が管理しているが、金子地区の岸壁は港湾施設の能力を増強するため、国土交通省松山港湾・空港整備事務所が大型船舶にも対応できるよう水深14bの国際物流ターミナルとして整備、08年3月から供用を開始している。
現在の荷役クレーンは、地元民間企業で共同設置したハーバークレーン1基が稼働しているが、年々、コンテナ貨物の取扱量が増加しており、ターミナル供用時より約2倍に増加し、既存クレーンでは対応できなくなってきている。
供用開始時に年5万4000個(20フィートコンテナ)だったものが、今では10万7000個まで増加している他、荷役機械の増設は地元からの強い要望でもある。
既存のハーバークレーンの荷役能力は25個/時からガントリークレーンの能力は30個/時程度となる。発注仕様となる基本設計は港湾荷役機械システム協会(東京都港区)が担当した。
今回発注のクレーン規模は、17年春に松山港に完成したものと同規模となり、当時の発注概要はアウトリーチ36・5b、レールスパン16b。諸元は、つり上荷重最大51・1d、定格荷重30・5d、取扱量30個/時だった。
他、レールを設置する岸壁基礎部分は、物流ターミナル整備時に補強済みとなっている。ガントリークレーン稼働後のハーバークレーンの取り扱いは、ガントリークレーンの保守・点検時の予備施設となる。同地区は水深14bあり、5万d級の貨物船が入港可能だが、現状は1万トン強の船舶が運航されている。
提供:建通新聞社