香川県は4月18日に高松市内で2019年度の入札・契約制度等説明会を開催した。総合評価方式の企業評価型と実績評価型の適用価格の範囲を4月から一部引き上げた他、今年10月1日以降に入札公告する工事の契約締結後に「請負代金法定福利費内訳書」の提出を求める。この他、完全週休2日制モデル工事の周知方法を4月から改正。余裕期間設定工事も継続。一般競争入札を適用する全ての工事に拡大し試行を継続する。
県は、700万円以上3000万円未満の工事は一般競争と指名競争入札を併用。一般競争入札で行う場合は総合評価方式を適用している。また、3000万円以上の一般競争入札の工事は全て総合評価方式を適用している。
19年度はこれを継続した上で、高度技術提案型▽技術提案型▽施工計画型▽実績評価型▽企業評価型(通常型)▽企業評価型(若年・女性技術者育成型)―の六つのタイプのうち、技術的な工夫の余地が小さい「企業評価型」の適用範囲の上限を「5000万円未満」から「7000万円未満」にまで引き上げた。
これは労務単価や資材価格の上昇、消費税アップに伴い工事費が増加していることなどを背景に適用範囲の上限額を引き上げた。建設業界からも引き上げ要望が出されており、これに対応した。
企業評価型(通常型)では企業の工事成績評点や地域精通度などにより評価を行う他、同(若年・女性技術者育成型)では、加えて配置予定技術者として若年技術者や女性技術者の配置の評価を行っている。
例えば、総合評価方式の社会性・地理的条件の項目で、これまで「5000万円以上の土木一式工事」で、コンクリート工事を多く使用する工事内容などを考慮し設定する「地球温暖化防止対策(CO2排出量削減等)」の評価において、対象が5000万円未満だったため、企業評価型の対象に入らなかった工事でも、19年度から適用範囲が7000万円未満となったことから、地球温暖化防止対策(5000万円以上)の加算点対象に入る。県では本年度10件程度試行評価する。
また、企業評価型の適用範囲の上限額引き上げに伴い、技術的な工夫の余地が小さく、施工計画などの提案は求めずに企業の施工実績や配置予定技術者らにより評価する「実績評価型」の適用範囲の下限額も、「5000万円以上」から「7000万円以上」に引き上げた。このため「実績評価型」は「7000万円以上1億円未満」に範囲が狭まる。
一方、契約締結時に法定福利費を明示した書類「請負代金法定福利費内訳書」の提出を、今年10月1日以降に入札公告または指名競争入札の執行通知を行う県発注工事から提出を求める。
工期、当該請負代金額や法定福利費総額(請負代金のうち、現場労働者に関する健康保険、厚生年金保険と雇用保険の法定の事業主負担額)を記載した内訳書を、契約締結後に速やかに工程表などと併せて提出する。
記載された法定福利費の金額が不適当と思われる場合には、県から算出方法、根拠の確認や再提出を求める場合があるとした他、あくまで法定福利費内訳書の内容が県との契約内容を拘束するものではないと説明している。
提供:建通新聞社