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北陸工業新聞社
2019/04/23

【富山】とやま建設イノベーション/エコーウッド富山/県産材で災害対応型の東屋/太陽光搭載、憩い・安心の場に 

 エコーウッド富山(小矢部市戸久、米澤尚美代表取締役)は、県産材や自然エネルギーを活用した災害対応型の東屋「エコヤ」を開発し、小矢部市清沢地内の津沢こども園に設置された。
 富山県新世紀産業機構によるとやま中小企業チャレンジファンド事業の助成金を受け、東屋に太陽光発電システムを組み合わせて充電や電源、照明を提供するサービススポットを構築した。建設規模は8・64平方メートル。県産スギで構成され、景観性を保ちつつ、しっかりとした構造を確保。外装材は加圧式防腐処理で仕上げ、内側の床や壁、ベンチ2基にはガラス塗料を施して磨耗や汚れを防ぐ。木の風合いを生かして、柔らかな質感で優しく包み込みながら、高い機能を発揮し、メンテナンス性にも優れる。
 屋根には1枚当たり210ワットの太陽光パネルを3枚搭載する。発電出力630ワット。蓄電池を備え、USBポート2口、非常時用のコンセント2口で電源を確保しており、USB充電に対応した端末であれば、生活必需品とも言えるスマートフォンをはじめ多様なデバイスを約80時間充電することができる。夜間は照明2基が点灯し、内部を照らす。
 同社の直営で施工。設計は水野建築研究所(上市町大坪)、PVシステムはアイワ住装(富山市堀川本郷)が担当した。
 東屋の屋根の下は、日差しや雨をしのぐスペースで、保護者が園児を見守り、園児の休憩や遊びの場所でもある。災害による非常時は灯りと電力の供給で安全・安心を守る。米澤社長は「街中に合ったデザインが特徴。東屋の概念を変え、普段は憩いの場であり、災害時にはいざという時の装備を備えた頼れる場所になる。安らぎと安心の愛される空間にしたい」と説き、地域の防災力向上を図る。
 同社は、土木・公園資材、サイン類、エクステリア、建材などの県産材・間伐材製品を幅広く取り扱う。「木の良さ、県産材の魅力をPRし、体験してもらいたい。街中の人が多く集まる場所に利用することで、県産材製品の一層の普及を図っていく」とし、とやまの森づくりにつながる県産材利用の促進を強調する。今後は災害対応型東屋について、公園、バス停などの待合いスペースへの設置、備蓄倉庫としての活用を積極的に働きかけ、県産材のさらなる需要拡大を目指す。

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