県商工労働部産業人材課は、市原高等技術専門校整備事業で本年度、新総合実習棟の実施設計や管理棟大規模改修に伴う仮設校舎のリースなどを予定している。事業費は、県の当初予算に7061万3000円を計上するとともに、限度額2億5100万円の債務負担行為を設定した。債務負担行為は新総合実習棟の実施設計7400万円と仮設校舎のリース1億7700万円。ほかに事前家屋調査1081万3000円と国有地購入費等5980万円を計上している。
同事業は、施設の老朽化や耐震性の不足などから、市原高等技術専門校(市原市平田981―1)の実習棟の建て替えや管理棟の大規模改修を実施する。昨年度は、新総合実習棟の基本設計を荒井設計事務所(君津市久保4―4―10)、管理棟大規模改修の実施設計を千町村建築研究所(千葉市中央区新宿1―2―3)にそれぞれ委託した。委託金額は、新総合実習棟の基本設計が1228万4000円(消費税抜き)、管理棟大規模改修の実施設計が1300万6000円(同)。新総合実習棟の基本設計は県土整備部営繕課、管理棟大規模改修の実施設計は同施設改修課から発注。新総合実習棟の実施設計も営繕課に発注業務を依頼する予定。
新総合実習棟は、塗装科、電気工事科、溶接非破壊検査科の入る「総合実習棟」と、ビルメンテナンス科の入る「ビルメンテナンス実習棟」、「自動車整備科棟」の3棟のうち、自動車整備科棟を除く2棟を取り壊し、新総合実習棟に集約して建て替える。
新総合実習棟の建物規模は、基本設計の委託段階でS造平屋建て延べ約2687uとしていた。既存施設は、総合実習棟がS造2階建て延べ3001・28u(75年建設)、ビルメンテナンス実習棟がS造平屋建て延べ830・42u(64年建設)。
また、管理棟は大規模改修を実施する。本年度に仮設校舎をリースし、2020年度に着工する。施設は74年7月の竣工で、建物規模はRC造3階建て延べ約1782u。
全体の事業スケジュールは、本年度に新総合実習棟の実施設計と管理棟仮設校舎のリースを行い、20年度下半期に管理棟大規模改修工事に着工。工事を20〜21年度の2か年で実施、21年度上半期の竣工を目指す。新総合実習棟は21年度に着工し、21〜22年度の2か年で整備する。その後、22〜23年度の2か年で既存の実習棟を解体し、全体を完了させる。
市原高等技術専門校は、職業能力開発促進法に基づき職業能力開発を行う目的で設置された施設。高校や中学校を卒業して就職しようとする人や、転職して新しい職業に就こうとする人などが就職に必要な技術や知識を身につけられるよう訓練を実施している。訓練科は自動車整備科、電気工事科、溶接非破壊検査科(旧プラント保全科)、塗装科、ビルメンテナンス科の5科。
同校は59年4月に、板金科、溶接科、電気機械科の3科を設置した五井市原職業訓練所として開設。その後、市原職業訓練所、市原専修職業訓練校、市原高等職業訓練校などの改名を経て、74年度から施設名称を市原高等技術専門校とした。