名古屋市住宅都市局は、2026年アジア競技大会で整備する選手村の周辺エリア(港北エリア)のまちづくりで19年度、将来ビジョンを取りまとめる方針だ。選手村・後利用施設整備事業者の公募手続きが19年度内にも開始される計画の中、愛知県と名古屋市が検討している選手村後利用基本構想の策定に合わせた将来ビジョンの公表を目指す見込み。本年度の検討調査業務も今後早期に入札手続きを開始する見通しだ。
将来ビジョンを策定するエリアは、おおむね東側を地下鉄名港線(江川線)、西側を荒子川、南側を港区役所駅(名港線)と荒子川公園駅(あおなみ線)を東西で結ぶライン、北側を国道1号に囲まれた範囲。選手村整備地の名古屋競馬場の周囲おおむね2`に当たる。
名古屋競馬場の敷地は約20f。大会後は選手村整備に伴う土地利用転換をきっかけとして地域活性化の核となることが期待されているものの、現状において周辺エリアは民間投資が活発とは言いにくい。
そのため、周辺エリアのまちづくりの方向性と選手村整備地の位置付けを明確にするため、まちづくりビジョンをまとめる。行政、民間、地域の役割分担を整理するとともに、民間事業者が行う選手村の後利用事業を積極的に行えるよう、周辺地での重点的な取り組み内容と方策を検討する。
18年度までの検討で▽地域のブランドづくり▽地域コミュニティの重要性▽エリア内の東西動線(東海通)の工夫―などをまちづくりの方向性において盛り込む要素と考えている。将来ビジョン策定に当たってはそうした方向性と重点的取り組み事項を整理してビジョンとする方針だ。
ビジョンには、選手村周辺のまちづくりでの民間投資促進方策も盛り込む。内容は本年度内の調査検討業務を踏まえて決める考え。投資促進方策には民間投資に対するインセンティブといったものの他、地域の魅力を高めるインフラ整備施策も考えられるが、現時点で内容は未定としている。
提供:建通新聞社