名古屋市住宅都市局は、リニア中央新幹線開業を見据えた名古屋駅周辺整備で2019年度、東側駅前広場エリアの都市計画変更手続きや支障物件移設に向けた設計・関係者協議を進める方針だ。西側駅前広場エリアは、必要な機能などの検討を深める。18年度に策定した「名古屋駅駅前広場の再整備プラン」と「リニア駅周辺のまちづくりの方向性」の両中間取りまとめを踏まえて検討を進め、20年度以降の詳細検討に備える。19年度予算で駅周辺検討には計5億1900万円を充てる。
東側駅前広場エリアの都市計画変更は▽桜通の起点部変更▽駅前広場の形状(面積)変更―の2点。駅前のロータリー交差点を名駅通と桜通が交差する三差路に変更することに伴い、桜通の起点部を東側に変更する。また、駅前広場は現状の台形から五角形の形に変更する。19年度に都市計画変更手続きに入るスケジュールを目指して準備を進める方針。
駅前広場再整備プランで示した再整備イメージを実現するためには、上下水道局の名駅前ポンプ所をはじめとする地下設備やインフラ施設の移設・仮設が不可欠となる。19年度は仮設や移設に向けた設計や工程調整、協議用資料を作成して協議を行い、移設具体化に備える。
地下設備の移設に当たっては、駅前ロータリー部にあるモニュメント飛翔≠フ撤去を先行させる必要がある。19年度は地下機械室で冷却用に使用している空調設備の室外機撤去を行う計画。20年度以降飛翔&舶ェの撤去工と並行して、上下水道局が新名駅前ポンプ所の築造や接続管路の整備を行う見通し。
西側駅前広場は、駅前広場に駅ビルやバス乗降場などの機能を盛り込むまちづくりイメージを再整備中間取りまとめで示している。西側は盛り込むべき機能などをもう1年精査した上で今後の検討具体化に備える計画。高速道路とのアクセス性向上を確保する椿町線の地下区間検討では、西側駅前広場との接続部付近の検討を行う。立体道路制度などを活用した駅前広場と西側街区との一体開発の可能性は、今後、関係者との対話を通じて探っていくとみられる。
駅東・西側の再整備検討にはそれぞれ2億1300万円と1億0300万円を確保。また、東側の地下空間確保に向けた事業費は1億1000万円。
検討業務の委託方法は今後決めるとしている。
中央コンコース南側に新設する新たな東西通路に向けた検討費には7500万円を充てる。18年度に壁を開口した場合の強度調査を行い、自由通路の設置は可能と判断している。19年度は確保できる幅や高さなどについて、予備設計レベルの検討を行う考え。新たな自由通路の延長は80b程度。検討はJR東海に委託して進める。
リニア新駅周辺の面的整備の検討には1800万円を確保。新駅上部空間と隣接区域とを土地区画整理手法を活用して一体的に整備するイメージでこれまで検討を行っている。19年度も基盤整備の在り方について検討を行うとともに、周辺地権者との個別交渉を進め、事業化に向けた精度を高めていく方針。
提供:建通新聞社