国土交通省関東地方整備局は、横浜港の新本牧ふ頭岸壁・護岸と本牧ふ頭BC2岸壁の各一部(ともに横浜市中区)を対象とした施工方法を検討する。それぞれ鋼板セル殻とハイブリッドケーソン、ジャケットと床版の製作ヤード候補地を選んだ上で、着工から完了までの手順や概算工費を具体化するため。所管の京浜港湾事務所がこれらを一括した業務(税込み参考業務規模3400万円程度)の委託先を簡易公募型プロポーザル方式で6月に選定。2019年度内に成果を得て工事に備える。
新本牧ふ頭(約140f)はコンテナターミナルの部分を直轄で担当。19〜31年度に水深18b以上の岸壁1000b(721億円)や護岸1500b(731億円)、防波堤(28億円)、荷さばき地(471億円)などを整備する。岸壁などの基本設計を八千代エンジニヤリング(横浜センター、横浜市保土ケ谷区)、施設整備検討を中電技術コンサルタント(東京支社、東京都中央区)で行っていた。
今回の検討対象は、コンテナターミナルの沖側部に巡らせる▽岸壁(鋼板セル式)▽南側護岸(ハイブリッドケーソン式)▽東側護岸(ハイブリッドケーソン式)―の各500bと、岸壁と東側護岸の端部を結ぶ中仕切り堤。岸壁・護岸はサンドコンパクションパイルや深層混合処理の地盤改良を施すなどして築造する。
一方、本牧ふ頭BC2岸壁はB突堤の先端部3f強を撤去したり、水際の護岸から40b前出ししたりして整備する水深16b、延長310b。19〜25年度に162億円を投じて整備を進める。
こちらの検討対象は水際護岸からの前出しによって整備する80b(ジャケット桟橋式)。口径1400〜1500_の杭を打ってジャケットを据え付け、上部に厚さ40aの床版などを敷設して隣接のBC1岸壁(水深16b、延長390bの桟橋式)と接続させる。日本港湾コンサルタント(東京都品川区)で細部設計を行うことになっている。
業務を通じ、新本牧岸壁・護岸の鋼板セル殻とハイブリッドケーソン、本牧BC2岸壁のジャケットと床版に関わる製作ヤード候補地を選定。その上で、新本牧の岸壁・護岸(海上地盤改良工、基礎工、製作工、本体工、背後施工)と中仕切り堤(本体工、仮設工、岸壁・護岸への取り付け部施工)、本牧BC岸壁(基礎工、仮設工、撤去工、本体工、上部工)のそれぞれ整備手順や工程を練って概算工費を算出する。
「横浜港新本牧地区及び本牧地区港湾施設施工法検討業務」と題し、建設コンサルタント等Aの競争参加有資格者から4月26日まで参加表明書、6月3日まで技術提案書を受け付けて、6月12日に特定通知する予定。20年3月13日が履行期限となっている。
提供:建通新聞社