東京都建設局は、多摩川南岸道路「丹三郎工区」の事業化に向け、トンネルを主体とする同区間延長約2`の予備設計に着手する。国道411号(青梅街道)のバイパス道路として多摩川沿いに整備している同路線のうち最終工区で、事業を所管する西多摩建設事務所が6月上旬にプロポーザル方式による設計者選定手続きを開始する。
多摩川南岸道路は、奥多摩町氷川地区と同町丹三郎地区を結ぶ延長約7`、幅員10bの新設道路。西側から登計工区・海沢工区・城山工区・丹三郎工区の4工区に分けて事業を進めており、登計工区(延長約1・4`)と海沢工区(約0・9`)、城山工区(約2・8`)の3工区が完成している。
残る丹三郎工区は、急峻な地形である奥多摩町棚沢と丹三郎を結ぶ延長約1・9`で、大半の区間をトンネル、残る区間を橋梁で整備する計画。
19年度に着手する予備設計業務の中で、地形や地質を踏まえた最適なルートやトンネルの工法、施工手順などを検討し、施工性や維持管理性なども考慮して最適な案を絞り込む。履行期間は契約日から260日間。今回の成果を基に地元協議などを進め、早期事業化を目指す。
多摩川南岸道路は、地域の防災性向上や観光シーズンの交通渋滞の緩和、地域経済の活性化を目的に都が建設を進めている路線。大半の区間がトンネルと橋梁で構成しており、斜面の崩落などの影響を受けにくく、豪雨により国道411号が通行止めになった場合の代替ルートとして機能することで、地域の孤立化を防止する。
提供:建通新聞社