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滋賀産業新聞
2019/04/15

【滋賀】湖南市 田代ヶ池団地の耐震診断

 湖南市は、老朽化が著しい市営住宅田代ヶ池団地の耐震診断業務委託を計画しており、6月頃の業者選定に向け、内容精査等の最終調整を進めている。
 同団地は、岩根499番地131の敷地内に、中層耐火4階建、延約840平方bのC1棟(16戸)、同じく中層耐火4階建、延約437平方bのC2棟(8戸)の計2棟があり、どちらも昭和50年建設で老朽化が著しいことから今年度耐震診断を行うこととした。
 診断結果で調査結果が基準値を満たなかった場合、ただちに耐震補強案作成へと進める方針。そのため、補強案作成へと進む際は、耐震診断業務を請け負った業者と変更契約(随意契約)を締結する考えだ。市は今年度内に同団地の整備方向性を示し、次年度以降に整備予算を確保していく。
 同団地は、市営団地整備の指針となる「湖南市市営住宅整備計画」の中で、老朽化による▽シート防水の交換等を行う屋上防水工事▽ひび割れ補修等の外壁改修工事▽共有部・埋設部等のガス管更新▽給水管等の更新を行う給排水管共用部分更新▽床下地を整備する段差解消工事▽手すり・スロープ設置工事が必要と表記(長寿命化対策整備含む)しており、現状、2棟合わせて1億2924万円程度の工事費が必要と試算している。これに、耐震化が必要となると耐震整備費が上乗せされることから、工事費に対し採算性が合わないと判断した場合は撤去の可能性もあるという。
 市内にある市営住宅の中で同団地は整備優先度を高く市が設定していることから、今後の動向が注目される。
 市営住宅の現況を見ると、▽市営住宅の約7割が旧石部町地域で供給▽昭和40〜50年代に建設された準耐火2階建住宅は、耐用年数の半分を経過している▽60平方b以上のファミリー向けの住戸が半数以上を占めており、30平方b未満の住戸は供給されておらず、単身者などの小規模世帯向け住戸が少なくなっている。
 なお、現地建替事業を計画している市営住宅・堂の上団地については、引き続き施設の修繕もしくは民間活用採用への方針転換に向けた整備体制の構築を進めていくことがすでに決定している。敷地約3700平方b内に、木造平屋建の住戸が20戸ある。昭和49年建設で老朽化が著しく、外観などの劣化も激しいことから、整備方針を検討している。今のところリノベーションでの活用は考えていない。なお、空き部屋も多く、施設の統合・廃止の判断といった決断を迫る声もあったが、同団地内で利用者同士のコミュニティが成立していることをうけ、施設を存続することを判断した。

提供:滋賀産業新聞