アジア競技大会愛知・名古屋合同準備会事務局は、選手村敷地の基盤整備に土地区画整理手法を導入する考えだ。2019年度は基盤整備に向けた調査設計を行うとともに、選手村・後利用施設整備のスケジュールとの工程検討を行い、20年度以降の具体化に備える。整備イメージとしては、土地区画整理事業による基盤整備を進めつつ、建物施設建設の準備が整った箇所から選手村・後利用施設整備を行い、26年春までの施設概成を目指すこととなる。
土地区画整理手法の事業方式(公共施行、組合施行、個人施行)は本年度の調査設計の中で決める考え。検討に際して、▽施行対象区域▽既設建物の解体時期▽業務方式―の想定できる要因について、経済性や施工性、工程を見て判断する。
施行区域は、名古屋競馬場跡地の全体敷地20・7fを対象とするか、新場外売り場を含まない約18fとするかを決める。
建物解体時期は▽区画整理事業着手後に除却▽区画整理事業着手前に除却―に分かれる。区画整理事業着手前に解体する場合は、既設の競馬施設のうち第2〜3スタンドの場外馬券売り場と競馬会館(体育館併設)は、新場外売り場と新体育館が完成するまで必要な施設となる。
業務方式は▽業務代行方式▽CM方式▽区画整理施行者が発注・管理する通常方式―など。
区画整理設計では、敷地内の骨格道路延長0・5`(東海通の競馬場正門前交差点から南進して環状線との境界部に接続するL字型道路)を整備する他、敷地外周道路の歩道(延長約1・8`)を拡幅・植栽帯を設置する。歩道拡幅の対象は東海通と環状線、西側南北市道、南側東西市道。その他、敷地内に配置する防災機能を持つ公園(面積約2・9f)と東西をつなぐ緑地(同約0・7f)の基本計画をまとめる。
造成概略設計では、軟弱地盤対策案を検討する。また、雨水貯留施設は公園や道路下などの公共用地に配置することとし、地下調整池または地下貯留管の概略を決める。
所在地は、名古屋市港区泰明町1ノ1。
選手村を整備する名古屋競馬場跡地は、全て同競馬場組合の保有地。同組合は、県と市の出資で構成しており、換地処分手続きに向けての準備は本年度の調査設計の中で整える。
調査設計業務は「第20回アジア競技大会選手村後利用基盤整備調査および設計業務委託」の企画提案手続きを開始した。説明会は4月16日に開く。説明会の参加申し込みは4月15日まで。企画提案書は4月26日まで受け付ける。5月中旬に契約を締結する予定。履行期間は20年3月19日まで。見積金額は1億0045万2000円以内(消費税含む)。
提供:建通新聞社