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建通新聞社(東京)
2019/04/12

【東京】都 隅田川幹線、関屋ポンプ所の土木工事が最終段階に

足立区千住エリアの浸水被害軽減を目的に、東京都下水道局が約10年の歳月を掛けて進めてきた隅田川幹線と千住関屋ポンプ所の土木工事が最終段階を迎えている。幹線と千住関屋ポンプ所との接合部がつながったことから、ポンプ所への雨水流入をスムーズにするための接合部の線形を整える工事を進める。また、ポンプ所では深さ50bを超える大型ニューマチックケーソン2函体を同時に沈設する工事が完了したため、二つのケーソンを接合するための工事を進めつつ、ポンプ設備などの工事を始める。
 2008年度に着工した隅田川幹線は、千住西ポンプ所と千住ポンプ所付近を結ぶ延長約3・1`、内径約4・8bのシールドトンネル。既存ポンプ所で受け入れられない雨水を流入させる。シールド工事は既に完成しており、現在進めているのは、同幹線と、千住関屋ポンプ所を結ぶシールド部との接合部の工事。
 ポンプ所側のシールド内径は、本線(幹線)よりも大きい5・5bあり、接合するためには完成している幹線を地下内で拡幅する必要があった。
 その工事には、人工的に地盤を凍らせる「地盤凍結工法」を採用。トンネル内から鋼製パイプを地中に設置し、パイプ内に不凍液を流すことで、接合部を包み込むような形で大規模な凍土を造成。既存のセグメント(外径5・5b)を撤去しながら、外径が最大で9・5bの拡幅セグメントを組み立て、広がった幹線とポンプ所側のシールド部を接合させた。
 一方、21年度に着工した千住関屋ポンプ所は、隅田川幹線から送られてきた雨水を一時的に貯留(最大1万7600立方b)し、隅田川の水位が下がった後にポンプで雨水を放流するための施設。限られた敷地面積と形状を最大限活用しつつ、工事の影響を最小限に抑えるため、深さ50bを超える大型ニューマチックケーソン2函体を、わずか2b離れた位置で同時に沈設する世界初の工法を採用した。
 現在進めているのは、二つの函体を地中で接合させ雨水を一時貯留する一つの構造物とするための工事。函体の間の2bのすき間にバックホウを入れて掘削していき、二つの函体の接する面のコンクリートを解体して一体化する。今後、並行してポンプ棟や設備工事を進める。

提供:建通新聞社