名古屋市交通局は、地下鉄駅リニューアルに向けて、設計初弾として東山線千種駅の基本・実施設計に着手する。これに先立ち設計業務の一般競争入札を公告した。入札書は4月23〜26日に受け付ける。開札日は4月26日。履行期間は2020年3月13日まで。工事は20年度に発注する計画だ。19年度は他に名城線上前津駅のリニューアルに向けて、基本設計を進める方針を示している。
千種駅は、地下2階地上出入り口部で構成。延べ床面積は5195平方b。地下2階のホームは相対式。出入り口は6カ所で、うち1カ所はエレベーターとなっている。同駅は駅長室の設置場所変更や駅ナカ店舗設置(コーヒーショップとコンビニエンスストア)、一部出入り口の改修などを18年度末までに完了させており、より早く駅リニューアルを完了させることが可能なため、設計を先行させることとした。
同駅のリニューアル対象は、ホーム全体とコンコースの一部など。デザイン方針や改修方針、意匠計画などを決めた上で、全体の壁や床、天井について、施工技術や保守・機能、コスト面などを踏まえて仕上げ材料を決める。照明はLED化とし、照明手法や照度などの在り方を決めた上で詳細を検討する。
給排水衛生設備や消火設備、換気空調設備、防災設備などは露出配管やダクト類を直接目に触れることがないよう、ルート変更を検討する。また、ホームの冷房化に向けて冷房方式や能力、機器設置方法などの詳細を決める考え。
サイン表示は、栄駅などサインを一新した駅と同様、新たなサイン設備とする。
工事は20年度に着手し、22年度ごろの完成を目指す見込み。
【上前津駅は基本設計 21年度着工目指す】
上前津駅は、19年度に基本設計、20年度に実施設計を行い、21年度の工事着手を計画する。
同局が18年12月にまとめた地下鉄駅リニューアル計画によると、地下鉄開業から60年以上が経過したのを機会に、開業から50年以上計画した駅を対象とした「明るく、清潔感のある快適な駅」へのリニューアルを実施。市民・利用者が駅の変化を実感できるような改修を実施する方針を示している。
リニューアル対象は、ホーム、コンコース、階段、出入り口通路、出入り口上屋の利用者が出入りする駅空間全てが対象。改修水準は▽標準駅▽特別改修駅▽主要駅―によって分類。主要駅は、名古屋駅と栄駅、金山駅が対象となっている。これら主要3駅は、名古屋の玄関口としてふさわしい駅となるよう差別化。特別改修駅は一定の乗降者数がある主要観光施設最寄り駅とし、地域の特色を生かした特別なデザインによる駅改修を視野に入れる。
19年度に設計に着手する2駅はいずれも標準駅として改修を行う見通しだ。
中期経営計画(計画期間19〜23年度)では計画期間内に8駅でリニューアル改修に着手する方針を打ち出している。
提供:建通新聞社