東京都病院経営本部は、都立大塚病院(豊島区)の大規模改修工事に着手する。老朽化した本館の外来・病棟・診療部門の改修と設備の更新を、病院を運営しながら22年度までの4カ年をかけて段階的に実施する考え。建築と電気設備、給水衛生設備、空調設備の4件の工事の一般競争入札を、2019年第3回都議会定例会への付議案件として5月下旬に公告する。設備工事はいずれもWTO政府調達協定の対象。
同病院(豊島区南大塚2ノ8ノ1、敷地面積1万8701平方b)は、内科や神経科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、泌尿器科、産婦人科などを診療科目とし、病床数は508。鉄骨鉄筋コンクリート造地下2階地上7階建て延べ3万9857平方bの本館棟、2階建て延べ535平方bの外来別館、4階建て延べ2573平方bの職務住宅などの施設で構成している。
施設の完成から30年以上が経過して建物や設備の老朽化が進行しているため、病院を運営しながら本館の大規模改修を行う。
これまでに進めてきた地下1階のリハビリテーション部門への仮診療スペース確保や、受変電設備増設などの準備工事が完了したことから、本館の改修に着手する。
工事は、吹き抜け部分を境に建物を大きく四つのブロック分け、外来診療科の仮移転を繰り返す形で診療を原則として継続しながら段階的に進める。内外部の改修に合わせ、分娩室を増室するとともに、狭隘(きょうあい)化しているNICUを拡張するなど総合周産期母子医療センターとしての機能を強化。患者支援センターの相談個室を増やすなど、患者の利便性も高める。
21年度に病棟の一部を閉鎖して改修工事を加速し、22年12月をめどに完了させる。その後、熱源設備などの更新工事を別途行う計画。設計は横河建築設計事務所(品川区)が担当した。
改修に伴う事業費は総額約100億円を見込んでいる。
提供:建通新聞社