県営水力発電所再整備・運営事業者のコンセッション(公共施設等運営事業)募集開始(3月27日〜)にあたり、県は3日、事業説明会を開いて募集要項や優先交渉権者の選定ポイントを解説した。事業者の募集期間は5月15日まで。来年2月に優先交渉権者を決定する。
県が直接整備、運営した場合よりも26億円の金銭的メリットが期待できるとして、小鹿第1発電所など県内4施設にPFI方式(コンセッション)を導入する。県営発電所にPFIを適用する取り組みは全国初。
業務の内容は小鹿第1、第2、日野川第1発電所の再整備と運営維持に加えて、県が再整備中の舂米発電所の運営維持。事業期間は20年7月からFIT(固定価格買い取り制度)適用期間の向こう20年間。オプション設定で最長50年間まで継続できる。
今回、運営権対価を初めて公表。最低提案価格は、県が引き続き発電した場合に得られる利益102億円にセットした。内訳は再整備中の舂米発電所38億円と他3施設の再整備業務費相当額(一括金)、プラス4施設の分割金64億円。舂米を除く3施設の再整備相当額に関する一括金は、県が支払うべき再整備費と相殺する。
応募条件は単独事業者、または複数事業者で構成するコンソーシアムで、1000`h以上の運営業務実績があること。
優先交渉権者の選定は、参加資格審査と第1次、第2次審査の3段階。1次審査は事業実施体制や同種業務実績、県内事業者の参画などを評価。3者程度に絞り込んだ上で、2次審査は1次審査の評価点を持ち込まず、収支計画や地域経済の発展への方策などの視点に、運営権対価の提案価格を加味して評価する。
選定スケジュールは6月7日が第1次提案書の提出期限。7月上旬に結果通知後、12月26日までに第2次提案書を受け付け、翌年2月に2次提案を審査して優先交渉権者を決める。
募集説明会には県内外の金融機関や建設業、コンサルタント、電気事業者など64社から130人が出席。県企業局の担当者が多くの提案参加を呼び掛けた。
日刊建設工業新聞