近江学園(湖南市東寺4丁目1―1)の現敷地内での建替えについて滋賀県はこのほど、PFI手法により具体化していくことを決めた。整備手法については、設計、建設工事、解体撤去工事、維持管理業務を範囲とするBTO方式を選定。事業を所管する県健康医療福祉部障害福祉課では、今年度にPFI事業のアドバイザリー業務を委託、合わせて実施方針を策定し、2020年度にPFI事業者を選定、2022年度の供用開始を目指す。
近江学園は、1946年に大津市南郷に開設され、1971年に現在地の湖南市石部に移転整備されたもので、6万8044平方bの敷地に、生活棟(全6棟、RC造・W造)計1987平方b、作業棟(全5棟、S造)計610平方b、管理棟(全5棟、RC造・S造)計1045平方b、多目的ホール約600平方bや運動場、研修棟など合計延6368平方b―以上が建てられている。整備後46年が経過し、施設老朽化の進行や社会環境の変化、障害の多様化などにより求められる役割が変化してきたことから建替え計画が上がり、同課ではこれまでに、基本計画を兜a院システムで完了。今年度はPPP/PFI導入可能性調査を日本経営システム・みずほ総合研究所JVで終えている。
計画素案によると、新施設は「障害のある子どもの地域生活の実現」をコンセプトとし、重度障害児や行動障害児のほか、近年増えている被虐待児、発達障害児も受け入れ、地域生活の継続に必要な支援を行うとともにセーフティネットとしての役割も持った県の障害児支援の中核拠点とする。
事業は、現在は広い敷地内に分散している複数の棟を2ヵ所に縮約し、利用者が移動しやすいようにする。現グラウンド部分に、生活棟と管理棟をまとめた新施設を建設し、敷地の空き部分に、新作業棟を建設する。
工程は、まず、現グラウンド内にあるギャラリー棟(S造平屋建、422平方b)を解体し、新施設と作業棟を建設。その後、多目的ホールと職員棟、グループケア棟、プールを除く旧棟全てを解体し、跡地を新グラウンドとして整備する。新施設の延床面積は6500平方b程度を想定。
新施設は平屋を基本とし、利用者が移動しやすいよう各棟間は通路で結ぶ。
居室は、児童の個別対応を可能とする生活空間を実現するため、比較的少人数の4人から8人定員のユニット型に整備し直す。
建設事業費は、概算で40億円程度となる見込み。
19年度県予算にはアドバイザーを活用した実施方針の策定等の費用として2000万円を盛り込んでいる。
提供:滋賀産業新聞