四国地方整備局は3月29日、国の予算成立を受け2019年度当初の関係予算概要を明らかにした。高知県には直轄で前年度比12%増の637億円、補助・交付金で同比28%増の742億円、合計で同比20%増の1379億円を配分した。主な新規事業として、四国8の字ネットワークを構成する大方四万十道路と海部野根道路にそれぞれ1億円を配分し、測量や道路設計を進める他、四万十市楠島地区の相ノ沢川総合内水対策事業に4億9600万円で樋門工事、吉野川水系の特定緊急砂防事業に5億1100万円で本山町の栗ノ木川と行川、大豊町の立川川で砂防堰堤工などを実施する。
新規着手する大方四万十道路は、黒潮町入野〜四万十市右山の延長7・9`。四国横断自動車道と一体となって高規格ネットワークを形成する。海部野根道路は徳島県海陽町多良〜東洋町野根の延長14・3`(高知県内分は6・8`)。阿南安芸自動車道の一環として高規格ネットワークを形成し、災害時の緊急輸送道路の代替路を確保する。
新規の補助事業では、高知地区事業間連携河川事業に5億9000万円、高知市の舟入川、国分川、下田川、介良川の耐震対策に充てる。四万十市の屋内大橋修繕には2億円、岩間大橋(岩間沈下橋)修繕には6900万円を配分した。
主な継続事業の配分額では、河川関係で仁淀川の河川改修に14億3400万円、用石地区の河道掘削などを進める。物部川の河川改修には3億6000万円、蔵福寺島・山田地区の堤防漏水対策などを実施する。日下川の床上浸水対策特別緊急事業には40億6900万円、施工中の放水路トンネル本体工を進捗する。横瀬川ダム建設事業には40億2100万円、本体工や付け替え道路工を進め、19年度の事業完了を目指す。高知海岸南国工区の海岸保全施設整備事業には12億6000万円、堤防の耐震・液状化対策を進める。
道路関係では、中村宿毛道路に13億2600万円、改良や舗装を進め19年度の開通を目指す。この他8の字関連では高知南国道路に111億5000万円、南国安芸道路(高知龍馬空港〜香南のいち)に13億円、南国安芸道路(芸西西〜安芸西)に21億1000万円、安芸道路に6億7000万円、窪川佐賀道路に51億6300万円、佐賀大方道路に15億円をそれぞれ配分した。その他の道路では高知西バイパスに13億5000万円、越知道路2工区に13億円、橘防災に2億4700万円。このうち国道33号高知〜愛媛県境で整備中の橘防災は19年度内に完了する。
港湾・空港関係では、高知港三里地区に16億7000万円で防波堤整備、高知港海岸に18億5100万円で海岸堤防の耐震化・嵩上げ、須崎港湾口地区に7億6500万円で防波堤改良、宿毛湾港池島地区に2億7600万円で防波堤改良、室津港室津地区に6億4800万円で防波堤整備をそれぞれ進める。
四国全体では直轄・補助を合わせ前年度比21%増の3966億円を配分、うち防災・減災、国土強靱(きょうじん)化のための緊急対策として720億円を充てている。
提供:建通新聞社