海上保安庁は2019年度から、鹿児島港船舶交通安全基盤整備に着手する。鹿児島市の谷山1号用地に巡視船等基地を設けるため10億600万円を配分し、桟橋等の係留施設を整備する。また、船舶交通安全基盤整備は第十管区海上保安本部管内(一部熊本県、宮崎県含む)で40カ所の航路標識等に前年度比2.42倍となる15億3400万円を充てる。
鹿児島港船舶交通安全基盤整備は、海上保安体制の強化に伴い、巡視船などの増強に不可欠な基地整備を実施する。そのため、係留する桟橋や岸壁のほか、物品を保管する保管庫や給水設備と陸上電源設備を設ける。
場所は、1号用地B区のIHI所有地。水深10m岸壁2バース(L450m)のほか、係留施設(桟橋)として、水深9m岸壁8バース(L360m×4基)を新たに設置。港湾管理者の県が、桟橋等の計画に向け、鹿児島港港湾計画の軽易な変更を3月に行った。完成後は、大型巡視船を配備して沖縄・尖閣諸島周辺等の島しょ部分の警戒にあたる。
船舶交通安全基盤整備は、防災・減災、国土強靭化のための緊急対策に伴い、船舶交通の安全確保に欠かせない灯台や通信機器等の整備を加速。そのため、40カ所のうち11カ所が国土強靭化等により整備を行う。
主な場所は、18年の台風24号により倒壊した名瀬港西防波堤灯台の再建を行うほか、鹿児島港や志布志港、指宿港、葛輪漁港等でも整備を実施する。