名古屋市緑政土木局は、市内の第1次緊急輸送道路の無電柱化に向けて、2019年度に調査費に5億5000万円を確保した。3月29日には初弾となる名古屋環状線の電線共同溝整備に向けた予備設計業務6件の入札手続きを開始している。今後は第1次緊急輸送道路を中心とした調査を本格化させるとともに、黄金橋前後区間の電線共同溝整備工事に向けた電線管理者との調整を本格化させる方針だ。
市管理の緊急輸送道路は、全体延長372・8`(第1次緊急輸送道路は延長87・8`、第2次緊急輸送道路は延長285`)あり、このうち17年度末時点で76・6`(第1次39・6`、第2次37`)の無電柱化を完了させている。無電柱化率は、第1次緊急輸送道路で45・1%。国道を含めた市内道路の無電柱化率は約5%。
3月末に策定した無電柱化計画では、20年度までに道路延長5`で無電柱化を進めるとともに、27年のリニア中央新幹線の開業に向けて市内道路の無電柱化率10%を目指して施策を展開する方針を打ち出している。無電柱化率を5%向上させるためには、おおむね道路延長300`で無電柱化を行う必要がある。
20年度までに無電柱化の工事を展開する区間の中心は、黄金橋前後区間の延長3`。黄金通は、太閤通との交差点から大黒町線との交差部までの延長約1`(工事延長は約2`)と、五月南通の愛知公園西側の中川区五月通3丁目から太平通3交差点までの延長約2`(工事延長は約4`)が対象になる。
3月29日に入札手続きを開始した調査業務6件は、名古屋環状線の西区〜北区区間と、中川区太平通〜小碓通、中村区本陣通〜太閤通区間。6件の全体延長は9・11`。6件とも予備設計レベルの検討を行い、今後の電線管理者との協議に備える方針だ。
6件の予備設計業務の予定価格合計は1億2769万円。今後の調査業務の発注は落札動向を見ながら進めていくとみられる。
第1次緊急輸送道路で調査・検討を実施していないのは、熱田区・港区(国道154号)や南区(国道247号、名古屋環状線)、昭和区・天白区(国道153号)などがある。道路整備の状況を踏まえて第1次緊急輸送道路を中心に調査を進める見通しだ。
提供:建通新聞社