日本工業経済新聞社(茨城)
2019/03/25
【茨城】大子町が新庁舎基本設計変更/2階建て延べ3561uに
新庁舎建設事業のコスト削減を目指す大子町が、基本設計の変更案を公表した。階層を当初の3階建てから2階建てに変更し、延べ床面積も3561uと約20%縮減。交流スペースの拡充や展望デッキの設置も検討する。実施設計をことし12月ごろまでにまとめ、2019年度内に建設工事へ着手。20年度内の完成を目指す。
町では新庁舎の建設について、17年度から本格的な検討を進めてきた。現庁舎は建築から50年以上が経過して老朽化が顕著な状態であり、狭あい・耐震性不足といった課題を有するため建て替えが必要と判断。建設地を現庁舎西側に定め、18年度には設計事業者に渇涛。克彦建築研究所(東京都港区)を選定した。
当初の設計案では、RC造とS造の混構造、3階建て延べ4356uで計画。概算事業費は23億〜26億円を見込んでいた。
しかし高梨哲彦氏新町長の就任に伴い、町はコスト縮減のための計画見直しを開始した。
建設コスト削減のための見直し内容は、まず1階のピロティ(駐車場)を中止。2階建てとすることで上部躯体のコンクリートおよび鉄骨量を削減する。縮小後の浸水対策としては1階の床を押川沿いの堤防よりも60〜90p高くし、堤防越水時にも床上の浸水が発生しないように配慮する。
また各フロアのオープンスペースを可動式パーテーションを設置し、有効活用することで会議室、相談室の数や面積を減少させ、執務スペースを縮小。庁舎全体の規模を圧縮する。
さらに文書をデータ化することでロッカーおよび文書庫を削減。コピー機および複合機など事務機器の縮小なども検討する。
変更後の建物の床面積は1階が1791u、2階が1697u、屋上が73u(東側エントランス、リバーデッキの面積は除く)で計画。
コスト削減と併せて、町民交流スペースの拡充にも取り組む。相談や打ち合わせを行うオープンスペースは壁で仕切るのではなく、可動的パーテーションを設置。打ち合わせだけでなく町民の休憩場所としても利用できるようにする。
また町の自然を楽しみ、役場が憩いの場になるような交流スペースとして、屋上に展望デッキの設置も検討する。
そのほか庁舎西側には駐車場台数20台を確保したイベント広場兼駐車場も配備する計画だ。
事業スケジュールは、設計内容の見直しにより設計期間が2カ月ほど延長となる。しかし建物の規模が縮小されることから建設工事期間は短縮される見込みであることから、建設工事完了は従来の計画どおり20年度末を目指す。21年度に庁舎移転を行い、外構および旧施設の解体を始める。