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建通新聞社四国
2019/04/02

【香川】県 汚水処理広域化・共同化計画策定検討へ

 香川県土木部は、2019年度に県内の下水道事業を含めた、汚水処理事業の効率的な整備や管理運営に係る広域化・共同化計画の策定に向けた検討を行う。19年度当初予算に新規に計画策定検討費1334万円を計上している。アンケートによる各市町のニーズ把握を基に、これを分析しつつ調査をより深化させ、22年度までに汚水処理の広域化・共同化計画を策定する。県は18年度に広域化・共同化計画基礎調査・策定支援業務を建設技術研究所(東京都中央区)に委託した。事業者となる県内自治体の下水道等事業を巡る現状やニーズの把握に加え、下水道を含む汚水処理の広域化・共同化のメリットなど、基礎データを収集し整理した。19年度からは自治体ごとのグルーピングや、対象となるエリア、それぞれの施策メニュー案などについて検討する。
 政府は、下水道事業等においてアセットマネジメントの推進、事業の透明性の向上を図る観点から、公営企業会計の導入を促進している。人口3万人以上の地方公共団体は19年度までに公営企業会計を導入。それ以外の地方公共団体でも、できる限り早期に公営企業会計を導入するよう、その普及促進に向け推進している。
 汚水処理事業の広域化・共同化では▽処理場の維持管理の共同化▽公社活用による共同化の推進▽ICT整備、活用による維持管理の共同化▽維持管理業者の共同選定▽関連市町の管渠を県が一体的に整備▽下水汚泥の共同処理(汚泥処理施設の統廃合、収集運搬・処分委託の集約による。汚泥処分費の縮減、エネルギー利用)などの副次効果▽事務・維持管理の共同化(技術力補完、人件費の縮減)、包括民間委託の実施▽既存公共下水道と農業集落排水との接続、統廃合により既存施設の有効活用と管理施設数の縮減―など広域連携メニュー案は多岐にわたる。
 調査した基礎データを収集・分析しつつ市町との検討会などの場でニーズと共に共有。市町の維持管理、統廃合に向けてのグループ分け、広域エリアや公営企業会計導入に向けた行政のスリム化などの考え方を整理した上で、災害時の対応などから施策メニュー案を絞り込む。
 併せて組み合わせメニュー案のトータルの概略費用も比較検討しつつ、課題の共有と施策の方向性を共通認識する。
 今後、19年度に広域化・共同化に取り組むグループを決め、この中での市町のニーズとメニュー案を絞り、具体的施策達成のための課題を抽出する。
 20年度以降に、各市町の受委託など事務手続きの課題と解決に向けた検討を進めつつ、具体的な施策メニュー案を吟味。22年度末までに香川県での汚水処理事業の広域化・共同化計画を策定する。
 人口減少や施設の老朽化など下水道を含む汚水処理事業を取り巻く事業環境は今後、厳しさを増す。持続性を維持、確保するには、公営企業会計導入や複数の地方公共団体間の広域化・共同化施策などが鍵の一つとされる。

提供:建通新聞社