相模原市は、入札・契約制度の改正を公表した。評価型競争入札(インセンティブ入札)や手持ち制限、業者格付け・発注標準金額を見直す他、条件付き一般競争入札の対象範囲拡大試行などを実施する。
評価型競争入札は、工事の適正な施工の確保を図るとともに事業者の技術力の向上や社会的貢献への意欲を高めるため、U型の評価基準を見直す。これまでU型は「社会・地域貢献型」としていたが、「災害対応・地域貢献型」とする。
災害対策の実働加点について、「過去2年間に凍雪害対策で実働(5点)」を「過去5年間に災害対応で実働(15点)」に変更。消防団協力事業所の認定についての加点を5点から10点に増やす。また、参加条件の点数についても、土木一式と舗装を20点以上から25点以上に、建築一式と電気、管を15点以上から20点以上に変更する。
手持ち制限については、中小企業者の受注機会の確保と入札の競争性を確保する観点から、管工事の制限を一部見直す。これまでの手持ち契約金額(上限5000万円)の項目をなくし、手持ち工事本数の上限を一律2本とする。
条件付き一般競争入札対象範囲拡大の試行は、19年度も引き続き実施する。工事は、指名競争で実施している設計金額500〜1000万円の一部案件で、18年度と同様に対象案件の7割程度(25件程度)を予定。また、設計金額250〜500万円未満の一部案件のうち、不調や中止となった案件についても試行的に実施する。コンサルは、設計金額500〜1000万円の一部案件で、対象予定案件の3割程度(8件程度)を実施する。
業者格付け・発注標準金額では、入札参加登録業者の経営状況や規模を踏まえ、格付けを▽土木一式のDランクをCランク▽建築一式のCランクをBランク▽舗装のCランクをBランク―に統合し、発注標準金額も変更する=表=。
その他の改正点は次の通り。
■総合評価方式一般競争入札のうち特別簡易型の技術資料提出時期
入札参加業者の負担軽減や無効・不調対策として、現行の「参加申請期限(公告日から6営業日後)まで」を、「入札書締め切り(公告日から17営業日後)まで」に変更
■社会保険未加入対策の強化・法定福利費の内訳明示
現在契約課発注の全ての工事を対象に、社会保険未加入の一次下請け業者との下請け契約を認めていないが、19年度より二次下請け以下も含めた全ての下請け業者についても認めない
■週休2日を確保した工事の取り組み
「働き方改革」による長時間労働の是正、建設業への若年入職者の確保、育成を図るため、週休2日を確保した工事に対して、工事成績評価を加点評価する制度を導入
■設計など委託業務への成績評価の導入
測量、地質調査、設計監理の委託業務(設計等委託業務)についても、19年度より成績評価を導入し、今後の入札契約制度への活用について検討
提供:建通新聞社