関東地方整備局は3月29日、2019年度予算のうち、千葉県関係の主要事業を明らかにした。首都圏中央連絡自動車道(圏央道)については、神奈川県・茨城県を含めて515億4000万円を投じ、未開通区間の整備に向けた調査設計・用地買収・工事などを行う。さらに、江戸川河川改修事業に、茨城県・埼玉県・東京都を含めて約71億9000万円を充て、松戸水門耐震対策、野田市座生地区ほか河道掘削、市川市の行徳橋改修、同市下妙典地区の高規格堤防整備などを実施する。また、千葉港葛南中央地区国際物流ターミナル整備事業として、泊地に設置されている防泥柵の補修に1億5000万円を配分した。
圏央道においては調査設計、用地買収、改良・橋梁・トンネル工事を行う予定となっている。県内においては財政投融資も活用し、未開通区間の大栄ジャンクション(JCT)〜松尾横芝インターチェンジ(IC)について24年度の開通を目指すとともに、久喜白岡JCT〜大栄JCTの4車線化を推める。圏央道改築事業に関する県内の予算配分は、神崎町〜成田市(つくば〜大栄)1000万円、成田市〜山武市(大栄〜横芝)17億4000万円、東金市〜茂原市(東金茂原道路)500万円、茂原市〜木更津市(茂原〜木更津)1億3200万円。
道路関係はほかに、国道357号東京湾岸道路・千葉県区間50億1000万円、国道357号千葉357号交通安全対策・中瀬歩道橋改良8400万円、国道6号陣ヶ前地区電線共同溝2億5000万円、国道409号茂原一宮道路7億6700万円を配分。
東京湾岸道路の千葉県区間は、千葉市美浜区真砂〜浦安市舞浜の21・3km。舞浜立体の調査設計・橋梁上下部工事・改良工事・舗装工事、市川市域の調査設計、船橋市域の調査設計・橋梁下部工事・改良工事を実施する。
中瀬歩道橋においては安全・円滑な歩行空間を確保するため、引き続き東京方面の横断歩道橋の増設工事を進める。
陣ヶ前地区電線共同溝は松戸市松戸陣ヶ前の延長約1・1kmが対象で、調査・設計および本体工事を実施する。
地域高規格道路に位置付けられる茂原・一宮・大原道路の一部を構成する茂原一宮道路について、調査設計・用地買収・道路改良工事・橋梁下部工事・舗装工事を行う。
江戸川河川改修事業では、松戸水門の耐震対策工事を完了させるほか、流下能力向上を目的とした野田市座生地区ほかの樹木伐採・河道掘削、市川市内における行徳橋改修、同市下妙典地区の高規格堤防整備などを行う。予算の内訳は一般河川改修(市川市、松戸市、野田市ほか)66億1600万円、特定構造物改築(市川市ほか)3億9100万円、河川都市基盤整備(市川市ほか)1億8400万円。
そのほか河川関係は、利根川下流河川改修事業約21億5000万円、利根川上流河川改修事業約106億9000万円、一宮川事業間連携河川事業約5・6億円。
利根川下流では銚子市富川地区の堤防整備と樋管改築を行い、浸水被害防止を図る。さらに、栄町須賀地区などで樹木伐採を実施する予定。
利根川上流においては、野田市関宿台町・関宿三軒家地区ほかで堤防法尻補強などを行う。
一宮川に関しては、浸水被害の軽減を目的とした上茂原地区ほかの調節池掘削・護岸工など。
千葉港葛南中央地区国際物流ターミナル整備事業では、既存ターミナルの増深などによる外貿貨物の増加と輸送船の大型化への対応に加え、高い耐震性能を有する国際物流ターミナルの整備を進めている。19年度においては、水深12mの泊地に設置されている防泥柵を補修する。